ソロモンの偽証 第I部 事件

宮部 みゆき

2012年8月31日

新潮社

1,980円(税込)

小説・エッセイ

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落としたー。新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。

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ひさだかおり

書店員@精文館書店中島新町店

(無題)

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0
2020年01月16日

みんなのレビュー (1)

Readeeユーザー

(無題)

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3.7 2018年01月27日

とにかく、大作ですね。三部構成で一部一巻からなりますが、そのぶ厚いことと言ったらありません。寝転んで読むには、重くて腕が痛くなってしまいます。城東第三中学校の柏木卓也が、クリスマスの夜中に学校の屋上から転落死するところから物語が始まります。当初、卓也の死は誰もが自殺を疑いませんでした。決め手は両親が卓也の死は自殺であると始めから疑う様子も無かったことによります。ところが学校と藤野涼子、担任の森内恵美子の自宅に告発状が速達で届きました。「ボクは、大出俊次、出口充、橋田祐太郎が屋上から柏木卓也を突き落としたのを目撃した」という内容でした。 作者は柏木卓也の家族、特に兄の心理描写から始まり、藤野涼子及び家族、卓也の死体の第一発見者の野田健一の家族の葛藤まで、事細かに描写します。これがページ数を大きくしている1番の原因なのですが、果たしてこれは必要なのかなと思います。本の惹句的に言えば「14歳の心を余すことなく描いた」という事になるのでしょうが、読んでいてやはり、冗長ではないかとの違和感を払拭することはできませんでした。この物語は、少年少女の真の叫びではなく、宮部みゆきの描くところの14歳の少年少女だと思われます。ここに登場するような知性的な中学生がいるわけがありません。 さて、告発状を出したのは三宅樹理です。顔のにきびがひどくて、それを理由に虐めた大出俊次、出口充、橋田祐太郎の不良3人組への復讐です。樹理と唯一の仲良しで、告発書の投函に同行した浅井松子が車道に飛びだして車にはねられて死亡します。ショックを受けた涼子と樹理が偶然保健室で偶然一緒になりました。涼子が心配しながら樹理に声をかけると、樹理は涼子の顔をじっと見ながら、愉快そうに高笑いをしたのでした。涼子は恐怖で何も言えましせんでした。 大出俊次の取り巻き、出口充と橋田祐太郎が学校で仲間割れを起こしました。出口が転落して重体です。さらに、事件が続きます。大出家が火事になったのです。大出俊次の祖母が焼死しました。原因は放火のようです。どうも、柏木の転落死から始まった一連の事件が、絡んでいるのではないかと思えます。 柏木の同級生だった元2年A組の生徒が偶然図書館に集まりました。柏木の自殺について本音で話し始めるのでした。そしてTVの茂木記者が、涼子に取材に来ました。なんとかスクープをものにしたいと誘導尋問する茂木に苛立ちながら、涼子は自らの心の整理を一瞬に付けて宣言するのでした。自分たちで真実を見つける!。

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