西田幾多郎

無私の思想と日本人

新潮新書 新潮新書

佐伯 啓思

2014年10月17日

新潮社

924円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

考えに考え抜き、自分の底を突き破った先にあるものはー。世の不条理、生きる悲しみ、人生のさだめなどを、歩きながら沈思黙考し、「日本人の哲学」を誕生させた西田幾多郎。自分であって自分でなくする「無私」とはどんな思想なのか。その根源にある「無」とは何か。純粋経験、理性と精神、死と生、論理と生命、根本実在…難解な言葉をかみくだき、「西田哲学」の沃野を、稀代の思想家が柔らかな筆致で読み解く至高の論考。

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三日月ロック

難解だが

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3.5 2021年03月21日

かの有名な哲学の道の名の由来になっていて 日本発唯一の哲学とも言われる西田哲学についての論考。 有の思想と無の思想など読み進めていくうちにこれまで西洋的なものの見方にどれだけ影響を受けてきたのかがよく分かる。 しかし全体の半分も理解できていないのではと思うほど 読書中のモヤモヤは強かった。 思想の背景に神、キリストや仏教といった宗教の要素が大きく絡んでいるのは間違いないのでそっちの方面の本も読んでいきたい。

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Readeeユーザー

西洋的手法による日本思想の哲学

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3.3 2019年11月18日

難解と言われる西田幾多郎の哲学をわりと解りやすく解説。西洋的な絶体者=神、それをベースとした主体と客体、形而上的な発想からくる西洋的近代的合理主義と西田の言う絶体=無、無と有、生と死の対比による「今」の連続による日本的思想の対比は納得できる。また神による終末がなくなり西洋的な時間の概念だけが残り無限に成長していく現代のグローバル世界という見方は的確であり、そこに西田の言う日本的無の哲学でもう一度捉え直すのは有効的だろう。また自己を殺し全体に作用するという発想が戦時中に利用されたのは不幸だったのだろう。

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