不滅の書

萩耿介

2012年6月30日

中央公論新社

2,090円(税込)

小説・エッセイ

十数年前インドで消息を絶った兄が残した「智慧の書」。そして亡霊のごとく現れては消える兄ー。不動産会社に勤める隆は、吸収合併した社内の空気に馴染めず、同僚からは目の敵にされ、鬱屈した日々を過ごしていた。そんな日常から逃れるように、隆は夜な夜な「智慧の書」をめくり、兄が語る宇宙の原理に迫ってゆく。やがて隆は「智慧の書」を手に、兄の跡を追ってインドへと向かうが…。ウパニシャッドからショーペンハウアー、そして現代へ。ムガル帝国の皇子や革命期フランスの学者たちが時空を超えて結実させた哲学の神髄に迫る、壮大な物語。書き下ろし長篇小説。

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(無題)

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3.2 2018年01月29日

小説のストーリーとしては、不動産会社での激務に疲れた主人公がインドで行方不明になった兄の形見である「智慧の書」を読みふけることによって少しずつ不思議な世界へと誘われていきます。そして兄の幽霊や過去に「智慧の書」に関わった人たちの人生を体験していくうちに徐々に主人公の心情にも変化が起こり始める、という小説なのですが、序盤は会社の話ばかりなので社会派小説かと思っていたら2章でいきなりフランス革命が舞台になって、更に3章ではムガル帝国の内戦の話になり、最後は現代のインドへ話が飛ぶという複雑さ。しかしこれらの要素が「智慧の書」によって見事に繋げられ結末へと向かいます。 うたい文句としては、ウパニシャッドからショーペンハウアー、そして現代へ。ムガル帝国の皇子や革命期フランスの学者たちが時空を超えて結実させた哲学の神髄に迫る、壮大な物語、ということになっていますが、どうにも僕にはよくわかりませんでした。

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