Red
島本理生
2014年9月30日
中央公論新社
1,870円(税込)
小説・エッセイ
三年間もセックスレスじゃなかったらー大人の恋愛と官能の世界。妻、母を生きる女が一線を越えるとき、そこにはどんな世界が待っているのかー。充実した毎日を送っていたはずの女は、かつての恋人と再会し、激しく身体を重ねた記憶に導かれるように快楽の世界へと足を踏み入れていく。島本理生が官能の世界に初めて挑む!
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(無題)
Redと綴られた白い文字。オレンジがかった赤いシミが滲んでいる。血の一滴が落ちた跡のように見える。毎月訪れる経血は、女の性の確認を迫っているようだ。生々しい生の証だ。だから著者は塔子にこんな風に言わせている。「たまたま女に生まれて、出産する機能が勝手にくっ付いてて。それだけで選択も責任も引き受けなきゃいけない」。 ことセックスの快感に限れば、男は単純で射精まで一直線である。それ以外には、せいぜいが組み伏せた女が快感にうごめく様を眺めて自己満足に浸るぐらいである。そこにいくと女の快感は複雑である。性感帯一つとってみても。クリトリストとGスポットさらにはポルチオとあって、それぞれ感じ方が違う。潮を吹いたり、痙攣したり、硬直したりと怪奇ともいえる反応を示す。セックスには快楽を楽しむ一面があることは間違いない。そしてそれと同時に精神活動の一面もある。人はセックスによって愛情を確認するのだから、一筋縄ではいかない。 生物が雌雄の間で性行為を行う意味は、遺伝子に多様性を生み、それによって進化をもたらすためだといわれる。ところが、人のセックスには、単なる生殖以上の意味合いが込められている。そんなセックスにまつわる精神活動を、大雑把に承認欲求と割り切れば、不可解な人の行動も理解しやすくなる。 本書は塔子の生と性の記録物語である。このテーマは、多くの女流作家によってこれまでも書かれてきたものである。しかし、それは時代の変化とともに、いつでも今日的テーマでありうる。
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