「生活者」とはだれか

自律的市民像の系譜

中公新書

天野正子

1996年10月25日

中央公論新社

768円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

1980年代末から、政治家の発言や企業広告の中に「生活者」という言葉が頻出しはじめる。それは瞬く間に時代のキーワードとして定着した。「非生活者」など存在しないにもかかわらず、なぜ「生活者」は人心を掴んだのか。本書は、三木清の生活文化論から戦後の消費社会論を経て「新しい社会運動」論へと半世紀余り使われてきた「生活者」という言葉に、個人の思いだけでなく、人びとが生きた時代の思いを読み解く試みである。

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