人質の朗読会
中公文庫
小川洋子(小説家)
2014年2月28日
中央公論新社
726円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いたー慎み深い拍手で始まる朗読会。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは、人質たちと見張り役の犯人、そして…。人生のささやかな一場面が鮮やかに甦る。それは絶望ではなく、今日を生きるための物語。しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。
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盛り上がりのある本ではない
starstarstar 3.3 2019年01月14日
star
タイトルに惹かれて購入。 全体を通して、少し薄暗く、ひっそりと静かな印象。 何気ない普段を切り取った話にも関わらず、それぞれの物語は朗読者本人にとって、とても素敵で、大切で、特別な物語だと言うことが伝わってくる。 これらの物語は、人質となり、“じっと考えること、耳を澄ませること(P12)”を経て、ただの経験から、特別な物語になったのかも知れないな、と感じた。 ■良い点 文章がとても綺麗で、読んでいて心地よい。 中でも「槍投げの青年」は、青年の姿、それを見ている“私”の姿が、ありありと目に浮かぶ、細かな描写が良かった。(この章は、特に没頭して読んでいた。) ■悪い点 全体を通してドラマティックな展開はなく、それぞれの物語につながりはないので、話としては退屈。
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読む人によって受け取るメッセージが変わりそう
こんなにいろんなことを感じた本はあまりない気がする。ただ、人は生きているとお互いにちょっとずつ影響し合っていて、そんな些細なことの積み重ねが人生になっていることをしみじみ感じさせてくれた。
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