
一路(上)
中公文庫
浅田次郎
2015年4月23日
中央公論新社
704円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。齢十九にして初めて訪れた故郷では、小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが、家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
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(無題)
久し振りに浅田次郎を読みました。さすがに上手いですね。安定感があります。だけど作家というのは、どこでこういう奇想天外な着想を得るんでしょうね。参勤交代をテーマにしていますが、そこへのアプローチが奮っているんですね。主人公の名は小野寺一路。イチロウと読ませるはずが、皆がイチロ、イチロと呼ぶために自らもイチロと名乗る始末です。父の不慮の死により家督を相続して、交代寄合蒔坂家の江戸への参勤を御供頭として務めることになりました。ところが、父からはお勤めについては、何一つ教わっていない一路です。二百年以上前に記された家伝の「行軍録」を唯一の手がかりに、古式に則った行列を仕立てます。五月人形と見間違うばかりの衣装をまとう露払いに双子の槍持奴など、賑やかで個性あふれる行軍に遭遇した人々の反応が楽しいですね。一路の父は、屋敷の失火で逃げ遅れて焼死しました。殿様から賜った家屋敷を消失させたとあっては、家禄召し上げも当然です。参勤道中を無事済ませば、家名の存続だけは叶うかもしれないと告げられたのでした。 こうして始まる一路の御供頭ですが、孤軍奮闘の一路に味方が現れます。菩提寺の住職に旅の易者と髪結い、そして唯一の部下栗山慎吾の面々が個性豊かに影日向となって一路を助けるのでした。かれらは何故見方になったのでしょうか。また、一路が御供頭となって始まった参勤行列は一糸乱れず、強行軍への不満も起こりません。口にこそ出しませんが、彼らの心の中にはある思いがありました。お殿様・蒔坂左京太夫に取って代わろうとする蒔坂将監とその一派への反感です。一路と慎吾の父親は表向き事故死と病死となっていますが、やがて側用人・伊東喜惣治の手にかかったのが明らかになってゆきます。
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