アメリカ大統領制の現在
権限の弱さをどう乗り越えるか
NHKブックス
待鳥聡史
2016年9月30日
NHK出版
1,540円(税込)
人文・思想・社会
アメリカの大統領は世界的な注目を集めて就任するが、任期途中で失速することも多い。オバマもそうだった。なぜか。日本やイギリスの首相とは違って、大統領には自由に政策を実現するだけの権限が与えられていないからだ。本書はイギリス植民地以来の歴史と国際比較から、大統領の権限が弱い理由を解明し、カーター、ビル・クリントン、オバマらを分析して、各大統領がこの困難にどう取り組んできたのかを明らかにする。一貫した視点で根本問題から将来像までを見通す、アメリカ政治の正確な理解に欠かせない一冊。
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toruo
(無題)
トランプが大統領になったことで一種のパニックが広がっているがそもそもアメリカ大統領には何がどこまでできるのか知りたかったので読んでみた。かなり分かり易い内容でそもそもアメリカにおける大統領制の成り立ちから仕組みへの理解が進んだと思う。 政治をまともに勉強したことがないのでアメリカ大統領については擬似王様みたいなもんと思っていたのだけどずいぶん違っていてむしろ制度ができた当初は議会の暴走にストップをかけるための存在、くらいのものだったとか。それ故に今でも議会の賛成がないと大したことはできないと。議会多数党の当主が行政のTopを兼ねる我が国と違ってその辺はピンと来なかったけど前任者が結局ほとんど無力な存在になってしまったことなどを例に引きつつ分かりやすく解説されていて良かった。しかし高名な政治学者の筆者ですら「まさかトランプが選ばれるようなことはないだろうが…」的な記述があってあれは余程のことだったんだなぁと改めて思いました。因みに自分はオバマ政権がほとんど死に体に近かったので誰と誰であろうが今回は共和党、と思ってました...。
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