アルジャーノンに花束を新版
ハヤカワ文庫
ダニエル・キイス / 小尾芙佐
2015年3月13日
早川書房
1,078円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。これにとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に検査を受ける。やがて手術によりチャーリイの知能は向上していく…天才に変貌した青年が愛や憎しみ、喜びや孤独を通して知る人の心の真実とは?全世界が涙した不朽の名作。著者追悼の訳者あとがきを付した新版。
本棚に登録&レビュー
みんなの評価(87)
starstarstarstar 4読みたい
222
未読
113
読書中
31
既読
514
未指定
502
書店員レビュー(1)書店員レビュー一覧
みんなのレビュー (7)
参考になった順
新しい順
チャーリィやさしいね
starstarstar 3.6 2024年02月23日
star
知的障害を持ちながらパン屋ではたらく優しいチャーリィが、人工的に知能を高くする手術を受けて圧倒的なスピードで天才になっていく。動物実験で天才となったアルジャーノンの退行していく様子から、自分の未来を完全に予測したチャーリィが、退行していく自分自身の知能に対しても「新しいことを覚えれば下降するエレベーターに乗っていても今の階にとどまれるかもしれない」と本を読み勉強していく様に、この人はすごく純粋で優しい人だと思った。人のせいにしないで自分のやることに一生懸命になれるチャーリィが、作者の経験や出会った人から着想を得て描かれているのはあとがきで知った。きっと作者のダニエル・キイスがチャーリィみたいな人なんだと思う。チャーリィがウォレン養護学校に自らの足で向かう前の手紙の最後の言葉が、裏庭にアルジャーノンの遺体を埋めてつくった墓に花束をそなえてほしいというものだったことからも、この人の優しさがわかる。改めてタイトルを見るとチャーリィの優しさが思い出される。
このレビューはネタバレ要素を含みます全て見る
いいね0件
ぼくの代わりに花を添えてください
starstarstar 3.6 2023年10月18日
star
脳手術により飛躍的に知能が向上した実験用ネズミのアルジャーノン。知能障害を持つチャーリー・ゴードンはアルジャーノンと同じく脳手術を受ける。
チャーリーは賢くなりたかった。賢くなれば周りの役に立てると思っていた。そして手術は成功、チャーリーの知能指数は爆発的に伸びていく。しかし、知能に精神的な成長が追いつかない。人との関わり方が解らない。
手術前には感じなかった孤独に苛まれる。知能は伸び続け、ついにはチャーリーを手術した医師や大学教授さえも超えてしまう。そしてアルジャーノンに異変…。
一人称の日記形式で物語が進む。チャーリーの知能がどんどん伸びていく様を日記の文体の変化で表す。作中に胸に刺さる言葉が多い。
「知能というのはテストの点数だけではありません。他人に対して思いやりをもつ能力がなければ、そんな知能など空しいものです。」 -p4
「金や物を与える人間は大勢いますが、時間と愛情を与える人間は数少ないのです。」 -p337
「大学へ行き、教育を受けることの重要な理由のひとつは、今までずっと信じこんでいたことが真実でないことや、何事も外見だけではわからないことを学ぶためだということを僕は理解した。」 -p118
大学で教育を受ける理由って何だろう❓そんなことも考えさせられた作品だった。
このレビューはネタバレ要素を含みます全て見る
いいね0件
悲しかった
starstarstar 3.3 2021年03月29日
star
知的障害を持った男性、チャーリイは、手術を受け急速にIQが上がり、天才の域に。ただ、その手術は完全なものではなく、一気に退行していく。
頭が良くなるに従って、世界が変わり、これまで友人だと思っていた人々からは馬鹿にされていたこと、家族には見放されてしまったこと、過去の嫌な思い出など全て理解し人を憎むことを覚える。また、人を愛することを知る。天才になると、自分より頭の良く無い人間を無意識に馬鹿にするようになってしまう。人間のありとあらゆる面を見させられ考えさせられる小説だった。
アリスの人物としての器の大きさ、チャーリイの良さを理解し愛し、全てを受け入れた強さには感銘を受ける。
このレビューはネタバレ要素を含みます全て見る
いいね0件
登録しました。
close
ログイン
Readeeのメインアカウントで
ログインしてください
Readeeへの新規登録は
アプリからお願いします
- Webからの新規登録はできません。
- Facebook、Twitterでのログイ
ンは準備中で、現在ご利用できませ
ん。
シェア
X
LINE
リンク
楽天ブックスサイト
楽天ブックスアプリ
© Rakuten Group, Inc.
キーワードは1文字以上で検索してください
azukikaferate
これは苦しい
手術前の文章は読みずらく、部分的に読み飛ばしちゃうんだけど、完読すると読み飛ばし出来ない。それが、とても失礼な行為だと感じるから。 幸せのあり方って、他者には決められるものでは無いのかもと思わせられる作品だった。
全部を表示いいね1件