予想どおりに不合理
行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
ハヤカワ文庫NF ハヤカワ・ノンフィクション文庫
ダン・アリエリー / 熊谷淳子
2013年8月23日
早川書房
1,210円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 文庫
「現金は盗まないが鉛筆なら平気で失敬する」「頼まれごとならがんばるが安い報酬ではやる気が失せる」「同じプラセボ薬でも高額なほうが効く」-。人間は、どこまでも滑稽で「不合理」。でも、そんな人間の行動を「予想」することができれば、長続きしなかったダイエットに成功するかもしれないし、次なる大ヒット商品を生み出せるかもしれない!行動経済学ブームに火をつけたベストセラーの文庫版。
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人間は不合理な傾向を知れば賢く生きられる
誰もが同じような失敗を繰り返してしまう、そのような人間の不合理さを数多の実験で証明している行動経済学について書かれた本で、15章のそれぞれで人間の不合理な性質が紹介されている。人がどのように行動すべきかという机上の空論の経済学ではなく、実際にどのように行動してしまうか、決断を誤ってしまうかという観点の行動経済学を知ることで、そうした誤りに気づいて改善できるチャンスが得られる良本。 1章 囮効果 人間は相対性によりものの良し悪しを判断する もし相手にある選択をさせたいならばそれと単純比較できて少し劣る択を選択肢に加えてみては 2章 アンカー効果 最初の偶発的な決断により後の決断もどうような決断をしている。恣意の一貫性 3章 無料の魔力 無料になると物事の悪い面を忘れ、合理的な判断ができなくなる。 4章 市場規範と社会規範 時に報酬を払う(市場規範)お願いよりも、手伝って欲しいと(報酬なしで)お願いする(社会規範)方が成果を引き出せる。中途半端な報酬が一番ダメ、お金の話を出すだけで社会規範が強まり、独立独歩な非協調性な傾向が出るため、デートには値段の話はしないほうがいいだろう 5章 無料クッキーの力 無料である時、わたしたちは利己追求せず、他者の幸福を気にする(社会規範) 6章 性的興奮の影響 性的に興奮した時の判断は冷静な時に自分が興奮しているときに下すであろう判断よりもさらに衝動的なものになる。(ある感情の状態のとき、別の感情の状態を考えるのは難しい) 7勝 先延ばし問題 誰しも先延ばしをする性質を抱えてる。この解決策は、弱点を自覚し、事前に決意表明するか、外からの声を利用するか 8章 高価な所有意識 自分の所有物の価値を高く見積もる(思い出補正、 いったん所有権を得るとそれにしがみつくようになり、本当の価値以上に高く評価する 9章 扉を開けておく 人間は選択肢を残しておく選択をしてしまう性質があるあまり、不合理な行動をとってしまう。必要のない扉を閉じる(選択肢を減らす)ことが余計な損失をしない合理的な選択かもしれない 10章 予測の効果 人は予測(美味しそうとか高級そう)と予想したものを実際そう感じてしまう。逆に事前にネタバラシ(実際はまずいとか安い)したものはその通りに感じてしまう。見せ方って大事。事前プライミングによる色眼鏡。期待しとく方が楽しめるし、何にも期待しないのは何も得られないことかもしれない 11章 価格の力 価格が高いほど効果があると思い込み、実際に結果に現れる(プラセボ効果が高い 12章 不信の輪 共有地の悲劇、信用の度合いが高ければ全ての人が利益を得られるのに、裏切れば自己の利益が得られてしまうため、結果信用が台無しになる 13章 私たちの品性について1 人は正直であることで気分が良くなる(社会的美徳を備えてる)が、小さな違反行為、バレない程度のごまかしならその正直監視モニターが反応せず、費用便益分析(バレたときのリスクとの天秤)をしなくなってしまう。 そして人はチャンスがあればごまかすが、めいっぱい誤魔化すわけではない、さらに誘惑に駆られる瞬間に道徳心を呼び起こす(十戒を思いださせるとか)と正直になる可能性が高まる 14章 私たちの品性について2 現金から離れた途端、不正行為を正当化してしまう。 15章 ビールと無料のランチ (独自性への欲求が強い人ほど)他の人が頼んでないメニューを選ぶ傾向が強い。他者からの評判という効用を得るために、個人の効用(自分の本当の欲求)を犠牲にすることがある。
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規則性があるから解決できる!
【導入】 人間は想定よりはるかに不合理に行動する。そして、それには規則性がある。 【結論】 規則性があるからこそ、それを理解して自身の行動を良い方へ導こう! 【アクションプラン】 突発的に行動しそうになったら、理由を探してみる 【概要】 人間が不合理な行動をする要因は下記の六つ ①相対性 ②アンカリング ③損失回避 ④社会規範と市場規範 ⑤自身への誤解 ⑥先入観 ①人は価値を判断する基準を持っていないため、相対的な判断をする。 相対的な基準も比較しやすいものから選択するため、行動が不合理になりやすい。 (ex.商品のプランや他人の容姿の良さなど) ②人は最初の経験が基準となる。同じ物でも、初めて買った値段が基準となる「恣意の一貫性」。 ただし、経験は供給側の意図により誘導されやすい。 (ex.携帯電話の料金など) ③人は所有物を手離すことに恐怖を覚える。高価な物が安くなっているより、安いものが無料になる方が魅力的に感じる。 自身の所有物は手離す覚悟を含めた値段をつけてしまうため、買い手と評価が合わない。 物に限らず思想や行動選択の幅についても同様に手離すことを拒む。 結果として、所有物に振り回されてしまう。 ④報酬が無い(社会規範)からこそ、自身の意思決定として行動できる。そこに金銭が発生する(市場規範)と行動に価値がつけられてしまい、労働に成り下がってしまう。 社会規範は精神的な報酬性が高い。 また、一度失われた社会規範は簡単には戻らない。 ⑤冷静な時に感情的になっている自身を想定することは不可能。先々の行動を自分の中で決めてもその都度の考え方は変わってしまう。 周囲への決意表明や行動パターンの中に組み込むなどの外的要因が必要となる。 ⑥人の予測は知覚に影響を与える。不味いと思って食べれば必ず不味く感じる。 効くと予測すれば偽薬でも効果が出る。 どれだけ良い予測をしてもらえるかというブランディングが大事。 一度信用を失えば、そう簡単には信用を取り戻すことはできない。 【感想】 各章のサブタイトルに書かれている疑問の答えを探しながら拾い読みをすると読みやすいです。 厚めの本であり実験内容が大半なので、そこをじっくり読むと疲れてしまうので、実験は興味のあるところだけ読んで、得た知見をよく読んだ方がいいかと思いました
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