侍女の物語

ハヤカワepi文庫

マーガレット・アトウッド / 斎藤英治

2001年10月31日

早川書房

1,320円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

侍女のオブフレッドは、司令官の子供を産むために支給された道具にすぎなかった。彼女は監視と処刑の恐怖に怯えながらも、禁じられた読み書きや化粧など、女性らしい習慣を捨てきれない。反体制派や再会した親友の存在に勇気づけられ、かつて生き別れた娘に会うため順従を装いながら恋人とともに逃亡の機会をうかがうが…男性優位の近未来社会で虐げられ生と自由を求めてもがく女性を描いた、カナダ総督文学賞受賞作。

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ケムケム

ディストピア小説だが、現実にも繋がる話

starstarstarstar 4.0 2023年10月29日

 キリスト教原理主義がアメリカ合衆国大統領を暗殺し、議会を襲撃し、クーデターを起こす。  主人公は一児の母である平凡な女性。クーデターをきっかけに人生が狂い、エリート男性の子種をもらい出産するのが役目の「侍女」という身分になる。  キリスト教原理主義に限らず、イスラム教、儒教など女性を蔑視する宗教は様々ある。そして蔑視される女性側も、真っ向からそれに対抗する者、自分の居場所を作るために他の女性を抑圧し優位に立とうとする者、恐怖から体制に盲目的に従う者など様々だ。  作者が描き出したこの物語の状況は、戦争のような大きな恐怖から、いじめのような身近な恐怖まで、あらゆるところに共通する。  時間が行ったり来たりするので、振り回され読みづらいところもあったが、侍女の物語ワールドにどっぷり浸かってしまった。  この物語を毀損している部分があった。それは落合恵子の解説だ。なぜ、彼女に解説を任せたのか。彼女の解説は単なる活動家の安い文章でしかない。筆者に対する冒涜でしかない。早川書房が落合を解説者に選んだのが残念だ。

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