嵐の眼

Hayakawa novels

ジャック・ヒギンズ / 黒原敏行

1994年2月15日

早川書房

2,029円(税込)

小説・エッセイ

「サダム・フセインの力を世界に示せ」イラクのフセイン大統領の命を受けた大富豪アルーンは、湾岸戦争のさなか、パリで一人の男に接触した。男の名はショーン・ディロン。元IRAのメンバーで、変装を得意とする名うての国際テロリストである。多額の報酬と引き換えにディロンは仕事を受諾、標的を訪仏中のサッチャーに定めるが、密告により暗殺は失敗した。密告者の情報から、暗殺を図った犯人がIRA関係者であることを知ったフランス情報部DGSEのエルニュ大佐と、イギリス国防情報部のファーガスン准将は、元IRAの闘士マーティン・ブロスナンに協力を要請する。ブロスナンは犯人がディロンだと断言するが、自ら行動することは拒否した。ディロンとの間には浅からぬ因縁があったが、今は硝煙の世界と訣別していたからだ。だが、やがて痛ましい事件が起き、彼は銃をとりディロンの行方を追い始める。一方、ディロンは新たな計画を進めていた。標的は英国首相官邸。戦時閣議が開かれているその官邸を迫撃砲で攻撃し、メージャー首相と閣僚を抹殺しようというのだ。だが、彼の背後には、ブロスナンの追跡の手が確実に迫っていた…。『テロリストに薔薇を』で鮮烈な印象を残したマーティン・ブロスナンが再び登場、冷酷なテロリストと宿命の対決を繰りひろげる。湾岸戦争中に実際に起きた英国首相官邸砲撃事件を題材に描く、白熱の冒険アクション。

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