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ネイサン・ヒル / 佐々田 雅子
2019年2月20日
早川書房
3,850円(税込)
小説・エッセイ
「母上は知事を石で襲いました」「冗談でしょ」サミュエルの母フェイは、彼が小さいころ家を出て行方知れずになった。そして数十年後、書けない作家兼大学教員になった彼のもとに知らせが入るー母が州知事を暴行して逮捕された。事件についての様々な憶測と報道がアメリカ全土をにぎわすなか、サミュエルは自分を捨てた母に復讐しようと、母の半生を調べはじめる。しかし、見えてきたのは、長年信じてきたものとはまったく違う事実だった。1960年代から現代まで、アメリカ中西部から、ニューヨーク、ノルウェーまで、さまざまな時代と場所から浮き上がってくるフェイの人生とは?そしてサミュエルとの断絶は修復されるのか。ジョン・アーヴィングが絶賛した、ユーモアと切なさに満ちた感動長篇。ロサンゼルス・タイムズ文学賞(新人部門)受賞!
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toruo
(無題)
話題になった短編小説を一作出した後は鳴かず飛ばずで今は大学で文学を教えている主人公のもとに、幼い頃に出奔して行方知れずとなっていた母親が大統領候補に石で襲いかかったという知らせが入って…というあらすじを見た瞬間に読みたくなったので手に取ってみた。母親のことには一切触れたくなかった売れない作家だが出版社から受け取ったアドバンスの返還を求める訴訟を起こすと脅されたので渋々、母親と接触し犯行に至る経緯をさがることになったのだが、という話。ベトナム戦争からイラク戦争、トランプの出現までを盛り込んでなおかつ地理的にはシカゴ、ニューヨークからノルウェーまで。いろいろ盛り込んだ結果700ページ超の大部になってしまっているけど破綻することなく実に読ませる。読み応えがあって面白かった。アメリカ文学が好きな人にはおすすめできます。
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