
火花
又吉 直樹
2015年3月11日
文藝春秋
1,320円(税込)
小説・エッセイ
お笑い芸人二人。奇想の天才である一方で人間味溢れる神谷、彼を師と慕う後輩徳永。笑いの真髄について議論しながら、それぞれの道を歩んでいる。神谷は徳永に「俺の伝記を書け」と命令した。彼らの人生はどう変転していくのか。人間存在の根本を見つめた真摯な筆致が感動を呼ぶ!「文學界」を史上初の大増刷に導いた話題作。
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みんなのレビュー (5)
(無題)
今更の「火花」である。なぜ今更なのか?それは「芥川賞受賞作は読まない」と決めていたからである。それにも関わらず読み始めたのは、何故か。やはりこれだけの話題作は外すわけにはいかない、と思い直したからである。同様の例外はこれまでに村田沙耶香の「コンビニ人間」のみである。これは例外扱いにして良かった。面白かったからである。 さて、それでは本作を例外扱いにしたのがよかったのかどうか。結論は、最後まで自分を信じるべきであった、との感を再確認した次第だ。お笑い芸人が純文学作品を執筆した。そして、それが芥川賞を受賞した。その話題性から逸脱するものではなかった。しかし、200万部を超える大ベストセラーとなったのだから、文藝春秋社の思惑は大成功であったろう。文春が版元で芥川賞の勧進元も文春では、自作自演でベストセラーを仕組んだと批判されても仕方なかろう。 それでも、ひとつだけ収穫があったとすれば、それは「芸人とは社会的にどういう存在か」との問いに正面から向き合えた事だ。身近な例を挙げると、テレビのコメンテーターに芸人が起用されている。それ自体は全く問題ないのだが、要はコメントの内容である。常識的というか世間の大多数の良識派に自らの立ち位置を置いた発言ばかりである。これには、違和感を覚えてしまう。何も芸人は、政治や社会問題に発言すべきでは無い、と言っているのでは無い。芸人のスタンスは、本来どんなに深刻なテーマでも、茶化して毒のある笑いに変えてしまうところにあるはずだ。芸人がご立派な説を宣ってどうするのよ!って言いたい。本書に登場する神谷から、そんな事を考えた。
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(無題)
日常会話が面白い 芸人の苦悩、売れる売れないの裏側が精緻に描かれている p.39 通常のことを言うのがボケってことはもはや通常狂ってるってことですからね 完全殺人をどのチームで達成できるか。 p.42 p.57 好きな食べ物なんや。 焼肉です。 ちゃうやん、好きな食べ物なんや 鍋です なべ? あんたなべ食べんの? 偉い丈夫な歯してはんねんな いや違いますやん p.66東京には全員他人の夜がある p.68クレジットカードを魔法と呼んだ p.92マキさんに手を引かれるあの少年は世界で最も幸せになる p.104初めてあった時は4歳差やったけど、今でも四歳差であることに驚いています。 p.130自分が考えたことで誰も笑わない恐怖を
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