芝公園六角堂跡

西村 賢太

2017年2月28日

文藝春秋

1,650円(税込)

小説・エッセイ

狂える藤澤清造の残影ーー 独りの死者と独りの生者。鬼気迫る四篇の“夜”と“昼” ここ数年、惑いに流されている北町貫多。 あるミュージシャンに招かれたライブに昂揚し、 上気したまま会場を出た彼に、 東京タワーの灯が凶暴な輝きを放つ。 その場所は、師・藤澤清造の終焉地でもあったーー。 「闇に目をこらすと、そこには狂える藤澤清造の、 最後の彷徨の残像が揺曳しているような錯覚があった。 --その朧な残像を追って、貫多は二十九歳から 今日までの生を経(た)ててきたはずであったのだ。」 (本文より) 何の為に私小説を書くのか。予定調和とは無縁の、 静かなる鬼気を孕んだ最新作品集

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