特捜検察は誰を逮捕したいか

文春新書

大島 真生

2012年10月19日

文藝春秋

847円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

田中角栄、金丸信など特捜検察は政治家の犯罪を摘発し、国民の喝采を浴びてきた。しかし、その信頼は村木事件で地に墜ちた。なぜエリート集団は堕落したのか?小沢一郎を逮捕できなかったのはなぜか?長年、検察を取材してきた新聞記者が組織の病巣に迫る。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstar 3.0 2018年01月28日

この本の帯に「田中角栄、金丸信、藤波孝生、村岡兼造、そして小沢一郎」とある。これを見れば誰しもが国策捜査を連想し、政界の暗部でうごめく策謀やCIAの工作を暴いた衝撃的な内容を予想するだろう。こんな期待を持って本書に望むと待っているのは、落胆である。 地検特捜部はかつては「巨悪は眠らせない」という言葉の元に、経済事件や政治家摘発など国民の喝さいを受けるような活動をしていた。だが昨今の特捜検察は信頼を地に落とすような不祥事の方が印象深い。本書はそんな特捜の質の低下をレポートしている書だ。 厚労省の村木厚子さんの冤罪事件の裁判で明るみにでた特捜検察の失態には、唖然とした方も多かっただろうと思う。著者は、それはバブル崩壊後にすでに始まっていたと言う。では、なぜ特捜検察は劣化したのか。検察はある人物を逮捕するかしないか、起訴するか見送るかを判断する強大な権限を持つが、このさじ加減が近年、おかしくなってきている。背景にあるのは検察上層部による政治的配慮や特捜部のサラリーマン化、はびこる成果主義だ。

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