新選組 粛清の組織論

文春新書

菊地 明

2016年4月20日

文藝春秋

902円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

【殺した敵(26人)より、粛清した味方(40人)の方が多い!】 江戸の農民出身である近藤勇、土方歳三、沖田総司らは、京都で剛剣を振るい、最期まで武士らしく散っていったーーそれが一般的な新撰組の「正の歴史」だろう。 だがしかし、新選組のヒーローであるはずの土方歳三と近藤勇が、“局中法度”の名の下に、大量の味方を惨殺していたことはあまり知られていない。 総勢約520人の隊士のうち、40人が粛清・暗殺で命を落としたとされる。芹沢鴨、新見錦(以上局長)、山南敬助(副長)、伊東甲子太郎(参謀)、藤堂平助(隊長)、武田観柳斎(軍師・隊長)ら幹部クラスも犠牲になっているのだ。池田屋事件を含む、京都市中警備という正式な隊務で殺害した敵が26名なのだから、その多さには戦慄が走る。 なかでも有名な粛清は、1芹沢、2山南、3伊東グループの御陵衛士粛清事件「油小路の変」だろう。 幕府に顔が利いた新選組の始祖・芹沢一派を殲滅して「近藤・土方政権」が確立するや、今度は組織のブレーンであり、江戸道場時代からの仲間であった山南を切腹に追い込む。そして次の大粛清は、近藤が組織拡大のため三顧の礼で迎えた伊東一派だ。尊皇(伊東)vs佐幕(近藤)思想観の対立化が表面だつと、今度は再びナンバー2を脱退させ、江戸の道場時代からの仲間(藤堂平助)もろとも惨殺するーー。 ならず者集団を統率するとは言え、組織に反する者は幹部でも殺す。殺された彼らは本当にただの“悪者”だったのか? 粛清された“敗者”の視点から、組織が抱える暗部をえぐり出す、全く新しい新選組論!

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