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(無題)
「二心殿」、「豚一」などの渾名で揶揄された最後の将軍、徳川慶喜についての伝記的小説。元々あまり良いイメージは抱いていなかったが、読後もさほどこのイメージは変わらず、ただフランス好きと多趣味という点でのみ親近感をもつ。晩年については知らないことばかりだったので、非常に興味深く読んだ。 上野寛永寺の僧が慶喜の人相について、王にはなれない、せいぜいが家宰だといったエピソードが印象的。確かに実に多芸多才なひとでなんでもそつなくこなせたらしい。そして雄弁にして名優。ともかく演技は上手だったよう。
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