竜馬がゆく 八

文春文庫

司馬 遼太郎

1998年10月9日

文藝春秋

825円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

慶応三年十月十三日、京は二条城の大広間で、十五代将軍徳川慶喜は大政を奉還すると表明した。ここに幕府の三百年近い政権は幕を閉じた。-時勢はこの後、坂を転げるように維新にたどりつく。しかし竜馬はそれを見とどけることもなく、歴史の扉を未来へ押しあけたまま、流星のように…。巻末に「あとがき集」を収む。

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ほーく

日本を変えた男

starstarstarstarstar 5.0 2020年09月13日

坂本竜馬は大事業を成して、命を天に返した。まるで、神さまがかれがことを成し遂げるまで守り使わせ、そしてそれが終わった途端翻したように、この世から退場をさせたようだ。そう、かれは誰もが認める幕末の貢献者であった。 かれと中岡慎太郎は大政奉還の旨を各藩、幕府、朝廷に知らせ、説得のために奔走をする。幕府には徳川家の将軍のためと利を説き、血滾る薩長には将軍への動議上提という名目で器用に兵を集めさせ、万一の場合に討つと多くのメリットを伝え、交渉を続けた。 岩倉と薩摩が密勅を謀る中、それを止めつつ説明に付した竜馬の冷静な対応力、そして人望の厚さをまたとなく感じることができる。 そして、そんな中土佐藩が兵を連れずに大政奉還の意見書を提出しようとする。そこで、竜馬は何十年ぶりに国土へ帰り、兵を出すように説得に向かう。かつての志士たちも郷土であるかれに敬意を払うところを見ると、とても違和感とともに成長を感じた。 そして何と言っても、乙女との再会の場面は久しぶりに世の中の喧騒から離れ、楽しそうなかれの姿を見ることができて本当に良かった。尊敬しつつもその身を心配し、足相撲もいまだにやられるその後関係がとても羨ましい。 そんな中、海援隊の1人が英国人を切ったという知らせが届く。昨今が慌てる中、かれは直接交渉に参る。そして、あくまでも冷静に下手人と認めず、万国公法に則り威厳と遵法精神を持って進め、対英戦争をおさえたうえで、共同調査をするような流れに持っていったかれの手腕はすごい。そして、武士に二言はないと一度も仲間を疑うことなく、信じ抜くかれの心意気の強さを感じた。 そしてついに大政奉還の旨が将軍慶喜から諸藩に伝えられる。それを聞いた竜馬は喜ぶことながら、すぐに新政府の体制や規則を一夜で考え始める。目の前のことだけではなく、新政府の理想や将来を考えるような、常に常にフォアキャスティングの考えが自分にはないので、ぜひ習いたい。 そして、関白、議奏、参議から構成される新政府役人表と8か条からなる新官制案、基本方針を書いた。富国強兵、憲法、万民平等、議会、そして海外との貿易と平等を含めた方針はそのまま用いられ、その後の日本の大きな道しるべとなる… また、財政担当として三岡八郎、名を改め由利公正を登用するあたり、本当に人の良し悪しとつながりを大切にしている生き方そのもので、素晴らしい。 そして、そんなかれも11月15日に近江屋で中岡とともに襲われ、脳をやられなくなってしまう。かれを失った代償はとても大きかった。鳥羽伏見の戦いが起こり、そして西南戦争も起こり多くの犠牲者が出てしまった。 もしかれがいたら、その無駄な死が避けられたと思うととても居たたまれない。 しかし、彼の想いや生き筋は死してなお、歴史の、私たちの、そして私自身の中に生き続ける。かつては、勉強も剣もできず泣きじゃくっていた背中に毛が理由のように生える少年、竜馬。そんな彼が、自分の利益ではなくただただ日本のことを考え、人との繋がりを大切にした結果大事をなしとげた。 かれの素晴らしいところは、自分の興味に走り、誰よりも人との繋がり、そして学びを大切にする姿勢だ。そして、その愛嬌のある笑顔や芯の通った意思に人々は驚き、笑顔になり、そして信頼につながっていく。 私もかれのように、自分の意見を持ち、あらゆる人と信頼を持ってお付き合いができるように精進をしていきたい。 そして、この時期に彼に出会えたことを心より感謝している。

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ほーく

日本を変えた男

starstarstarstarstar 5.0 2020年02月19日

坂本竜馬は大事業を成して、命を天に返した。まるで、神さまがかれがことを成し遂げるまで守り使わせ、そしてそれが終わった途端翻したように、この世から退場をさせたようだ。そう、かれは誰もが認める幕末の貢献者であった。 かれと中岡慎太郎は大政奉還の旨を各藩、幕府、朝廷に知らせ、説得のために奔走をする。幕府には徳川家の将軍のためと利を説き、血滾る薩長には将軍への動議上提という名目で器用に兵を集めさせ、万一の場合に討つと多くのメリットを伝え、交渉を続けた。 岩倉と薩摩が密勅を謀る中、それを止めつつ説明に付した竜馬の冷静な対応力、そして人望の厚さをまたとなく感じることができる。 そして、そんな中土佐藩が兵を連れずに大政奉還の意見書を提出しようとする。そこで、竜馬は何十年ぶりに国土へ帰り、兵を出すように説得に向かう。かつての志士たちも郷土であるかれに敬意を払うところを見ると、とても違和感とともに成長を感じた。 そして何と言っても、乙女との再会の場面は久しぶりに世の中の喧騒から離れ、楽しそうなかれの姿を見ることができて本当に良かった。尊敬しつつもその身を心配し、足相撲もいまだにやられるその後関係がとても羨ましい。 そんな中、海援隊の1人が英国人を切ったという知らせが届く。昨今が慌てる中、かれは直接交渉に参る。そして、あくまでも冷静に下手人と認めず、万国公法に則り威厳と遵法精神を持って進め、対英戦争をおさえたうえで、共同調査をするような流れに持っていったかれの手腕はすごい。そして、武士に二言はないと一度も仲間を疑うことなく、信じ抜くかれの心意気の強さを感じた。 そしてついに大政奉還の旨が将軍慶喜から諸藩に伝えられる。それを聞いた竜馬は喜ぶことながら、すぐに新政府の体制や規則を一夜で考え始める。目の前のことだけではなく、新政府の理想や将来を考えるような、常に常にフォアキャスティングの考えが自分にはないので、ぜひ習いたい。 そして、関白、議奏、参議から構成される新政府役人表と8か条からなる新官制案、基本方針を書いた。富国強兵、憲法、万民平等、議会、そして海外との貿易と平等を含めた方針はそのまま用いられ、その後の日本の大きな道しるべとなる… また、財政担当として三岡八郎、名を改め由利公正を登用するあたり、本当に人の良し悪しとつながりを大切にしている生き方そのもので、素晴らしい。 そして、そんなかれも11月15日に近江屋で中岡とともに襲われ、脳をやられなくなってしまう。かれを失った代償はとても大きかった。鳥羽伏見の戦いが起こり、そして西南戦争も起こり多くの犠牲者が出てしまった。 もしかれがいたら、その無駄な死が避けられたと思うととても居たたまれない。 しかし、彼の想いや生き筋は死してなお、歴史の、私たちの、そして私自身の中に生き続ける。かつては、勉強も剣もできず泣きじゃくっていた背中に毛が理由のように生える少年、竜馬。そんな彼が、自分の利益ではなくただただ日本のことを考え、人との繋がりを大切にした結果大事をなしとげた。 かれの素晴らしいところは、自分の興味に走り、誰よりも人との繋がり、そして学びを大切にする姿勢だ。そして、その愛嬌のある笑顔や芯の通った意思に人々は驚き、笑顔になり、そして信頼につながっていく。 私もかれのように、自分の意見を持ち、あらゆる人と信頼を持ってお付き合いができるように精進をしていきたい。 そして、この時期に彼に出会えたことを心より感謝している。

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