容疑者Xの献身
文春文庫
東野 圭吾
2008年8月31日
文藝春秋
803円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。
みんなの評価(240)
starstarstarstar読みたい
125
未読
190
読書中
45
既読
2451
未指定
1595
書店員レビュー(1)書店員レビュー一覧
みんなのレビュー (19)
湯川学が真実と友情の間でもがき苦しむ、人間の物語
読む前に映画を観てしまっていたこともあって ストーリーは知った上での鑑賞。 映画でも描かれていたとおり、 物理学者ではなく、 1人の人間としての湯川学が描かれている。 冷静沈着な湯川学が、心許し、好敵手と認める石神の罪に 苦しみながら明らかにして行く姿が丁寧に描かれていて 終盤は「どうしていれば、登場人物たちが幸せでいられたのだろう」という、答えのない考えを巡らせながら切なく読み切った。 真実を明らかにすることで 誰も幸せにはなれない 推理小説としてではなく、 人と人の友情と愛を描いた物語で心打たれました。 見事だと思ったのは映画のキャスティングも キャラクターや演技も全て、原作に忠実だったこと。 映画を観ても、ストーリーを知っていたものなお 入り込める一冊でした。
全部を表示ー部を表示いいね2件
湯川学が真実と友情の間でもがき苦しむ、人間の物語
読む前に映画を観てしまっていたこともあって ストーリーは知った上での鑑賞。 映画でも描かれていたとおり、 物理学者ではなく、 1人の人間としての湯川学が描かれている。 冷静沈着な湯川学が、心許し、好敵手と認める石神の罪に 苦しみながら明らかにして行く姿が丁寧に描かれていて 終盤は「どうしていれば、登場人物たちが幸せでいられたのだろう」という、答えのない考えを巡らせながら切なく読み切った。 真実を明らかにすることで 誰も幸せにはなれない 推理小説としてではなく、 人と人の友情と愛を描いた物語で心打たれました。 見事だと思ったのは映画のキャスティングも キャラクターや演技も全て、原作に忠実だったこと。 映画を観ても、ストーリーを知っていたものなお 入り込める一冊でした。
全部を表示ー部を表示いいね2件
"湯川学"という男の人間性にフォーカスした東野圭吾のひとつの挑戦
『容疑者Xの献身』は2005年の8月に発行された東野圭吾の小説でおなじみ"湯川学"が活躍する"ガリレオシリーズ"の第三作となる。前作「予知夢」から五年。全二作と違い長編にまとめられており、遂に東野圭吾ガリレオシリーズの名作と言える作品が誕生することとなった。第6回本格ミステリー大賞、第134回直木三十五賞と輝かしいタイトルも受賞している。 まず注目すべきはそのタイトルのお洒落さだろう。数学者の犯人をXとなじらえた表現は唸るべきところだ。また場面に何度か登場するホームレスの存在の描写が上手い。彼等を日常の歯車と比喩し、ベンチから然りげ無く技師を消すテクニックもさすがである。石神が自首を決意したタイミングにも注意して読み返すと面白い。石神の殺害を"献身"と揶揄し殺人を美化してしまっており、共感できない読者もいるだろう。しかし、前作までの科学トリックの羅列から逸脱し、"湯川学"という男の人間性にフォーカスした本作は東野圭吾のひとつの挑戦であり、名作と呼ぶべき作品と言えるのではないだろうか。
全部を表示ー部を表示いいね1件
close
ログイン
Readeeのメインアカウントで
ログインしてください
Readeeへの新規登録は
アプリからお願いします
- Webからの新規登録はできません。
- Facebook、Twitterでのログイ
ンは準備中で、現在ご利用できませ
ん。
X
LINE
楽天ブックスサイト
楽天ブックスアプリ
Readeeユーザー
(無題)
数学だけが生きがいだった男の純愛ミステリ。天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は愛した女を守るため完全犯罪を目論む。湯川は果たして真実に迫れるか
全部を表示いいね3件