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黒魔術の手帖
文春文庫
澁澤 龍彥
2004年2月10日
文藝春秋
586円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
中世暗黒時代を中心に妖術師や権力者らが繰り広げた黒魔術の数々。カバラ、占星術、タロット、錬金術、サバト、黒ミサ、自然魔法、そして史上名高い幼児殺戮者ジル・ド・レエをめぐる様々なエピソードを紹介した本書は刊行後、世間に強烈なインパクトを与え、三島由紀夫に「殺し屋的ダンディズムの本」と嘆賞された。
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(無題)
60年代、某雑誌に連載された澁澤龍彦のエッセイ集。 83年に文庫化された際にも手を入れなかったそうで、表現や訳語が古めかしかったりするが、21世紀の今でさえ内容の面白さは全く色褪せることがない。魔術、占星術、錬金術、呪い、タロット、観相学、妖術、サバト、悪魔礼拝、ジル・ド・レーなどなどオカルティズムに括られる様々な話題について軽妙洒脱に語ったエッセイ。怪しげな雰囲気を芬々と撒き散らせつつも、別に迷信やカルトに誘うような本ではないので、ご安心を。むしろ、澁澤の筆は明晰かつ批判的だと思う。エッセイなので読みやすく入門向けとも思うが、古めの文章そのままなので、今ならきっとこう訳される、という訳語も多く、他の本で予備知識を身につけてから読んだほうが、迷いは少ないだろうと思う。解説にもある通り、さらっと言及してなんのことか説明してくれないのが澁澤流のペダンティズムらしいので。西洋オカルティズムに興味をお持ちの方には面白い本だと思います。そして、当然だが実践的ではない。 著者が参照している主なネタ本はおそらくジュール・ボワ(ユイスマンスの弟子)とエリファス・レヴィだと思う。彼らが研究している原典も当たっているだろうけれど、孫引きが多いかもしれない(と、予想)。六十年代半ば、安保闘争かしましい頃に書かれたとのこと、何ともシニックというか、倒錯したものを感じてしまう。
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(無題)
60年代、某雑誌に連載された澁澤龍彦のエッセイ集。 83年に文庫化された際にも手を入れなかったそうで、表現や訳語が古めかしかったりするが、21世紀の今でさえ内容の面白さは全く色褪せることがない。魔術、占星術、錬金術、呪い、タロット、観相学、妖術、サバト、悪魔礼拝、ジル・ド・レーなどなどオカルティズムに括られる様々な話題について軽妙洒脱に語ったエッセイ。怪しげな雰囲気を芬々と撒き散らせつつも、別に迷信やカルトに誘うような本ではないので、ご安心を。むしろ、澁澤の筆は明晰かつ批判的だと思う。エッセイなので読みやすく入門向けとも思うが、古めの文章そのままなので、今ならきっとこう訳される、という訳語も多く、他の本で予備知識を身につけてから読んだほうが、迷いは少ないだろうと思う。解説にもある通り、さらっと言及してなんのことか説明してくれないのが澁澤流のペダンティズムらしいので。西洋オカルティズムに興味をお持ちの方には面白い本だと思います。そして、当然だが実践的ではない。 著者が参照している主なネタ本はおそらくジュール・ボワ(ユイスマンスの弟子)とエリファス・レヴィだと思う。彼らが研究している原典も当たっているだろうけれど、孫引きが多いかもしれない(と、予想)。六十年代半ば、安保闘争かしましい頃に書かれたとのこと、何ともシニックというか、倒錯したものを感じてしまう。
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