
神の座 ゴサインタン
文春文庫
篠田 節子
2002年10月10日
文藝春秋
880円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
豪農の跡取り、結木輝和はネパール人のカルバナと結婚したが、両親が相次いで死に、妻の奇異な行動で全財産を失う。怒り、悲しみ、恐れ、絶望…揺れ動き、さまよいながら、失踪した妻を探して辿り着いた場所は神の山ゴサインタンの麓だった。現代人の根源にある、魂の再生を力強く描く第10回山本周五郎賞受賞作。
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(無題)
2022/03/11 Facebookで novel518 ゴサインタン 神の座 篠田節子著 文春文庫 これはまた超大作。大地主の次男でもうすぐ40に手が届こうとする結木輝和は、ネパール人の娘を嫁にもらうことになる。 この日本人のような女性カルバナ・タミに、勝手にかつて好意を持っていた女性の名前淑子(としこ)と名付けて、呼ぶようになる。 この淑子は日本人のような顔つきをしているものの、山奥の民族の出身で、英語はもとより、ネバール語も少ししか話せず、意思疎通が難しかった。 輝和の母親は娘を迎えたつもりで、一生懸命、教育するが全く言葉も覚えず、衛生感覚もなく困っていた。 ところが、その淑子の周りで不思議なことが起きる。夜中に身体から不思議な光を発し、枯れかけた野菜が実っている。そして、時々、人が変わったようになり、近所の病人を直して流暢な日本語を話す。 そして、徐々に…。 このお話、色んな要素が盛り込まれています。前半は貧しい国から人身売買のようにして連れてきた外国人妻の斡旋を巡る様々な状況。 主人公輝和は妻と意思疎通のできないもどかしさから、出戻りの同級生にだんだん接近していく。 そして、淑子の発する不思議な力と、大庄屋としてかつて小作人たちをむしり取っていた結木家の罪滅ぼし。 そして後半は、山中での大家族のような奇妙な共同生活。そして舞台はネパールへ。 いやー、面白いですね。話に夢中になって降りるバスの停留所を乗り過ごそうになるは、お風呂は長風呂になるわ、で読むのをやめられない状態になる。 輝和は40になっても母親に依存しているぼんぼんだが、淑子に振り回され、淑子に影響され、淑子に惹かれて段々、自分の生きる道を見出し、自立していくことになる。 ゴサインタンとはネパール語で「神の住むところ」の意味だが、裏側のチベットでは「家畜が死に絶え、麦も枯れるところ」の意味。聖なるものと貧しさはセットなのかも知れません。 このお話は豊穣です。宗教のお話を中心に、神、家族、家、豊かさ、外国人妻、貧困、農林業、そして転落と再生。あらゆるものが詰め込まれた傑作小説です。
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