黒く塗れ
文春文庫
宇江佐 真理
2006年9月5日
文藝春秋
759円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
お文は身重を隠し、年末年始はかきいれ刻とお座敷を続けていた。所帯を持って裏店から一軒家へ移った伊三次だが、懐に余裕のないせいか、ふと侘しさを感じ、回向院の富突きに賭けてみる。お文の子は逆子とわかり心配事が増えた。伊三次を巡るわけありの人々の幸せを願わずにいられない、人気シリーズ第五弾。
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(無題)
出張髪結いの傍ら、町方同心のお手先をつとめる伊三次と芸者のお文(ぶん)夫婦が活躍する人気シリーズで既に九巻が刊行されているのだそうだ。突然、第五巻から読み始めたのは全くの偶然で、図書館の棚で本書が目に止まったからにすぎない。「髪結い伊三次」シリーズは、捕物小説の形態を取ってはいるが、実は伊三次とお文を中心にした愛情や人情にスポットライトを当てた市井小説ということができる。そのため、読後に嫌味が残らず、読者をゆとりある幸福感に浸らせてくれる。 本書は表題作のほか、六作の短編連作で「蓮華往生」は、天啓寺の大蓮華に乗った老人たちが、そのまま息絶えます。緑川が探索に当たるが、緑川の妻・てやは天啓寺にしばしば通っていた。「畏れ入谷の」は、高木茂助と妻・おたきの物語である。大奥に下女奉公に出たおたきが、将軍の目にとまった。出産前の最後のお座敷で、お文は茂助の口からこの事を聞かされた。 「夢おぼろ」は、試合で緑川直衛にきわどい所で敗れた不破龍之介は、片岡美雨に声をかけられる。美雨は乾監物との縁組が意に沿わないのである。富くじに当たった監物は、美雨に簪を贈るが。 「月に霞はどでごんす」金で殺しを請け負う一味に、太鼓の桜川笑助が絡んでいると見て、不破は調査を行う。一方、臨月のお文は、逆子だと言われ、喜久壽は緑川に医者を紹介してもらう。 「黒く塗れ」翁屋八兵衛の妻・おつなの様子がおかしくなり、店から金を持ち出している様子。伊三次が見張っていると、おつなは医者の樋口長庵と会っていた。密会などではなく、長庵はおつなに呪をかけていたのだ。 「慈雨」不破のかかりつけの医者・松浦桂庵の母・美佐が、行方不明になった。足を痛めた美佐は、棒手振りの花屋の塒で世話になっていた。その花屋は、巾着切りから足を洗った直次郎だった。 直次郎とお左和は恋仲だったが、二人の将来を思って伊三次が別れさせたのだったが。
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