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かばん屋の相続
文春文庫
池井戸 潤
2011年4月30日
文藝春秋
792円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
池上信用金庫に勤める小倉太郎。その取引先「松田かばん」の社長が急逝した。残された二人の兄弟。会社を手伝っていた次男に生前、「相続を放棄しろ」と語り、遺言には会社の株全てを大手銀行に勤めていた長男に譲ると書かれていた。乗り込んできた長男と対峙する小倉太郎。父の想いはどこに?表題作他五編収録。
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(無題)
一時期「京都市東山知恩院前上ル 一澤帆布製」と縫い込まれた赤枠のタグがやけに目だつ布製のバックを持っている人が目立ちました。本作品は、一澤帆布の兄弟訴訟合戦を思わせる作品です。 池上信用金庫に勤めて5年目の小倉太郎、太郎が担当する取引先「松田かばん」の社長が急逝しました。会社を手伝っていた次男に生前、「相続を放棄しろ」と語り、遺言には会社の株全てを大手銀行に勤めていた長男に譲ると書いた父親でした。父の想いは早晩倒産をまぬがれない会社の整理を長男に委ね、可愛い次男に無形の財産を譲るところにありました。 表題作のほか『十年目のクリスマス』、『セールストーク』、『手形の行方』、『芥のごとく』、『妻の元カレ』、『かばん屋の相続』の5編が収録されています。 小さな信用金庫や地味な支店などの泥臭い融資業務が主なテーマとなっています。どの話も金融ミステリーというより抒情で読ませる、なかなか渋い作品群です。池井戸の長編小説はハッピーエンドで爽快感が残りますが、4話目「芥のごとく」や5話目「妻の元カレ」など何処にも出口のない悲哀や鬱屈を感じさせる短編も味わい深いものがあります。
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taboke
(無題)
短編とは思わなかった。劇中の方々の人間くささが伝わってくるのは著者の筆力だと思う。 あっという間に読み切った。
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