悼む人(上)
文春文庫
天童荒太
2011年5月10日
文藝春秋
858円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
不慮の死を遂げた人々を“悼む”ため、全国を放浪する坂築静人。静人の行為に疑問を抱き、彼の身辺を調べ始める雑誌記者・蒔野。末期がんに冒された静人の母・巡子。そして、自らが手にかけた夫の亡霊に取りつかれた女・倖世。静人と彼を巡る人々が織りなす生と死、愛と僧しみ、罪と許しのドラマ。第140回直木賞受賞作。
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良い。心が洗われる。
イライラしたり人の悪いところばかり気にしていた自分が恥ずかしくなる。すべての死者を分け隔てなく悼むことは実際には不可能であるが、その気持ちが万人への愛、宗教の原点のような気がした。愛などについて書かれたものを読もうと思うことはなかったがこの本は自然と読め、愛を考えることができた。筆者は医師のサポートを受けただけあり癌患者の日常等の描写に具体性がありそこもよい。
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