鍵のない夢を見る

文春文庫

辻村 深月

2015年7月10日

文藝春秋

704円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

どうして私にはこんな男しか寄ってこないのだろう?放火現場で再会したのは合コンで知り合った冴えない男。彼は私と再会するために火を?(「石蕗南地区の放火」)。夢ばかり追う恋人に心をすり減らす女性教師を待つ破滅(「芹葉大学の夢と殺人」)他、地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作。

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Readeeユーザー

(無題)

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2.5 2018年01月27日

これで直木賞受賞作なんですかね。のっけから否定的な物言いで恐縮ですが、直木賞ほどになると、受賞作は独特のエネルギーを放っているものです。ところが本作では、作家の創造した世界に読者をグイグイと引き込む力強さは全く感じられません。もっとも、著者はこれまでも、若者の微妙な心情や思春期独特の揺れ動く気持ちを捉えた透明感のある文章を得意にしてきたのですから、ストーリーテラーとしての力量に期待してはいけないのでしょう。 さて、本作に収録されているのは5編で、いずれも地方都市を舞台にしています。五話に共通するのは犯罪ですが、大事件ではなく地方都市にあって、普通の人が、ふとしたはずみで起こしてしまった事件です。この事件に至るまでの心理描写こそが本書の読みどころと言えるのでしょう。ところが私にとっては、作者が得意とする閉塞感や圧迫感などの心理描写に共感を感じ無いどころか、女性独特の肌感覚に嫌悪感と不潔なものを感じてしまいます。主人公の女性はみな、テンパっちゃってますからね〜。 これに対して、脇役で登場する男どもはときたら、バックファイアーというあだ名のカンチガイ消防団員、相田みつを好きのDV男、努力も才能も無いにもかかわらず、語る夢だけは大きいヒモ男、コンだけ並べただけでも女性主人公の出口がズート後ろに遠退くというものです。 ところが第5話「君本家の誘拐」まで読むと、身動きのできない閉塞感はそのままですが、初めの印象と違って読後感は必ずしも悪くないのです。

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