名画と読むイエス・キリストの物語

文春文庫

中野 京子

2016年12月1日

文藝春秋

946円(税込)

人文・思想・社会

“イエス・キリストのおおまかな生涯を知った上で西洋名画を楽しみたいーそう願う人のための、これは手引書を目指した”。ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』やベラスケス『キリストの磔刑』をはじめ、レンブラント、ルーベンス、グレコなど43点をオールカラーで収録。「怖い絵」シリーズで人気を博す著者の話題作。

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lutece

(無題)

starstarstarstarstar 5.0 2021年07月10日

 絵が好きで美術館にはよく行くため、宗教画を鑑賞する機会は多い。けれども、キリスト教文化圏で育ったわけではないので、教養程度には知っていても、とっつきにくさは拭えず、なんとなく聖書の中にこういうエピソードがあるという曖昧な感想で終わってしまうことが多い。有名な磔刑図や受胎告知、最後の晩餐あたりはともかくとしても、十二使徒や聖人などとなると、名前が似通った人物も多く正直お手上げである。  カナの婚礼……聞いたことはなんどもあるけど、婚礼っていうからには、結婚式なんだよね。  洗礼者ヨハネ……サロメに首を所望された人。福音書の人とは別らしいけど……。  嬰児虐殺……ヘロデ王という人がなんか知らんがやらかしたらしい。  東方の三博士……ガレット・デ・ロワの人たち!    みたいな感じで、すこぶる適当な知識のまま放置してきたというのが、現状だ。我ながら情けないとは思いつつも、聖書を読むのは敷居が高いため、読む気にはどうもなれず(そして、この際いつも言い訳として持ち出すのが信者じゃないということ)、いつまでたっても、浅い知識にとどまり続けていた。  そんな折にふと見つけて読んでみたのが本書。タイトル通り名画とともに受胎告知から十字架上での死、復活と昇天に至るまでのイエス・キリストの生涯をたどっている。イエスが生きた時代のパレスチナ周辺の地理的・歴史的な説明に加え、イエスの人間的な側面に焦点を当てて、物語として記述されているため、非常に読みやすく素人にもわかりやすい。本書に描かれるイエスの苦悩や悲しみはとても人間臭く、感動的でさえある。  有名な絵がたくさん取り上げられており、誰もが一度は見たことのある絵も多い。この絵はこういう文脈で起きた出来事を描いているのかということがわかれば、今以上に楽しめることは言うを俟たないだろう。  一点難点があるとすれば、文庫サイズのため絵が小さいということだ。だが、これは携帯できるという利点の裏面でもあるので、よしとするほかない。本書は新約聖書で語られる内容のみなので、旧約と聖人については他書をあたることで、さらに知識を深めたいと思う。  おかげさまで、とっつきにくいところのある宗教画もこれまで以上に楽しめそう。著者に感謝。本書を携えて美術館に行こうと思う。

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ちまき

基本のイエス・キリスト

starstarstarstarstar 5.0 2020年03月27日

旧約聖書、新約聖書の通読を試みているが、私はクリスチャンではないので、理解できない箇所があまりにも多い。 そこで、絵画がたくさん載っていて読みやすそうという理由で、この本を手に取ってみた。 淡々と出来事だけを記す聖書と違い、イエス、ヨハネ、マリア、使徒たちの心理面がまるで見てきたかのように描かれていて、目の前に情景が浮かんでくるようだった。 特にイエスは人間味溢れる人物として描かれているので、神の子であり人間でもあるということの苦悩がひしひしと伝わってきた。 著者は、『聖書解釈ではなく、美術館で宗教画を見ることの参考として』書かれたということだが、私のようなキリスト教に全く馴染みのない者には、聖書のお供に最適な一冊だと思う。

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