酒狩りの民族誌

ポスト植民地状況を生きるアボリジニ

平野智佳子

2023年2月20日

御茶の水書房

8,800円(税込)

人文・思想・社会

厳しい飲酒規制がしかれる町の一角で、祖先から受け継がれた物語をキャンバスに描きながら、当たり前のように酒を飲んでいるアボリジニの人びと。彼らは「人種差別」と批判されるような国家の強圧的な介入に対して、抵抗するわけでもなく、従うわけでもなく、狩りの知識とスキルを活かして平然とそれをかわし、楽しそうに酒を飲み続けていた。「危機」に直面しているといわれているアボリジニ社会の、この「危機らしからぬ」現状を、私たちはどう理解することができるのだろうか。

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