
くもをさがす
西 加奈子
2023年4月19日
河出書房新社
1,540円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会
カナダで、がんになった。あなたに、これを読んでほしいと思った。西加奈子、初のノンフィクション。
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事実と小説
starstarstarstar 4.2 2024年05月04日
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西加奈子さんの作品が好きで、この本は読みたいと強く思っていました。小説は小説、事実は事実ですが、それらは密接に関わっていると私は思います。その、事実と小説が繋がっているんだなと感じさせてくれました。
私の身に同じことが起こったらどうするだろうか、同じことはなくても、似たようなことでも同じ判断ができるだろうか、似たような判断が出来るだろうかと思いながら読了しました。良い作品だと思いました。
カナダの外国人の台詞が関西弁なのがいいなと思いました。英語などを翻訳した時に標準語になるのは当たり前だと思っていましたが、関西出身としては違和感を感じていました。逆に、関西弁の台詞が新鮮過ぎて、違和感もありますがとても良かったです。
勇敢というかやらな仕方ないって感じ。しゃーないなぁ、やったるわ。そんな感じってありますね。自分が好んで選んだ訳でなくても、受け入れて進まないと行けないだけで、勇敢でもなんでも無い。恐らく受けいれてもいない。でも、それを他人が見て勇敢だと思う。勝手なもんですがそれが人間なのかも知れません。
日本人には情があり、カナダ人には愛がある。日本人はシャイではみ出すことを嫌い、普通や当たり前を気にするあまり大胆な行動はできないように思います。カナダ人の事を私は分かりませんが。。。
私は大病を患ったとはありませんが、患う前に出会えて良かったと思っています。
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重うなりがちな空気をボケと突っ込みで笑いに変える闘病記やねん
「バンクーバーで暮らすことは、あらゆる『他者』と共に暮らすことでもある」。 バンクーバーは今風に言えば「インクルーシブな街」なのだ。20年ほど前に行ったバンクーバーで感じた居心地のよさはそういうことだったのかもしれない。 「街が静かなのだ。それは、音がない、ということだけではなく、脅しのような広告や、ポルノ紛いの絵や写真を見ないことに端を発する静けさだった」。 曇り空のバンクーバーはその時も静かだった気がする。 2021年にバンクーバーにいる時に乳がんになった作者の、発覚から寛解までの約8ヶ月間の記録。なにより登場する医療関係者が関西弁なのがいい。重くなりがちな空気をボケと突っ込みで笑いに変える。 2020年に始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。 2021年3月のウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件。 2022年2月24日に始まったロシアのウクライナへの本格的な軍事侵攻。 彼女の闘病期間に起こった出来事もバンクーバーで罹患したからこそこのように受け止めるのだろうと思いながら読んだ。医療はもちろん日常生活の様々な場面における東京とバンクーバーの違いはちょっとした文化論としても興味深いし面白い。 作中で引用されていたウイリアム・フォークナーの一文。 「文学は、真夜中、荒野のまっただ中で擦るマッチと同じだ。マッチ一本では到底明るくならないが、1本のマッチは、周りにどれだけの闇があるかを、私たちに気づかせてくれる」。 この本もその1本のマッチ棒だ。
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