服従

ミシェル・ウエルベック / 大塚 桃 / 佐藤 優

2015年9月17日

河出書房新社

2,640円(税込)

小説・エッセイ

2022年、フランス大統領選。既成政党の退潮著しいなか、極右・国民戦線党首マリーヌ・ル・ペンと穏健イスラーム政党党首モアメド・ベン・アッベスが決選投票に残る。投票当日、各地の投票所でテロが発生し、ガソリンスタンドには死体が転がり、国全体に報道管制が敷かれる。パリ第三大学で教員をしているぼくは、若く美しい恋人と別れてパリを後にする。自由と民主主義をくつがえす予言的物語、英語版に先駆け、ついに刊行。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

作者の作品は過去に二作読んだけどかなりの曲者。本作も設定からして際どく、近未来にフランスにイスラム政権ができる、というある意味タイムリーな話。 主人公はパリ第三大学の文学の教授。 イスラム政権によって職を追われた主人公がイスラムに改宗して復職する道を選ぶ、という話。 作者が曲者たる所以は、主人公がノンポリでかつ生活には全く困っていないにも関わらず最終的に改宗の道を選ぶ、というところ。妙なリアリティがある。 ちょっと注釈が多くてつっかえるところもあったけどほぼ一気読み。面白かったが非常に怖い作品でもあった。

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