時間のかかる読書
河出文庫
宮沢 章夫
2014年12月8日
河出書房新社
1,012円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
脱線、飛躍、妄想、停滞、誤読、のろのろと、そしてぐずぐずとー決めたことは「なかなか読み出さない」「できるだけ長い間読み続ける」のふたつ。横光利一の名作短編「機械」を11年かけて読んでみた。読書の楽しみはこんな端っこのところにある。本を愛する全ての人に捧げる第21回伊藤整文学賞評論部門受賞作の名作。
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Tojo Hiroyuki
物語の解釈の物語。
最高峰の一人相撲。とんでもない試みであり、達成だ。 10年かけて一冊の本を内容をその小説のページ展開順に解釈をしていく。 読み終わるのに一年以上かかってしまった。 横光利一の「機械」を偶然読んでいた。本書の試みがちょうど本の読み込み方に興味があった時期で読み始めた。 途中完全に脱落した。そもそも「機械」は独特の小説で、暗い理解し難い内容だ。その解釈を300ページにも渡って読むのだから。 時間をかけて読み終えた自分を褒めたい。 こういう一筋縄ではいかない経験を大事に思う。
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