ソフトウェアの規模決定、見積り、リスク管理

Daniel D. Galorath / Michael W. Evans / 富野 壽

2008年4月30日

共立出版

5,170円(税込)

パソコン・システム開発

ソフトウェア規模の見積りは、開発見積りの基礎となる非常に重要な仕事である。ソフトウェア開発プロジェクトのコストやスケジュールがソフトウェア規模に大きく影響されるのは明らかである。もとより、技術的な難しさや複雑度、開発環境などの制約、そして何よりも要員あるいは開発チームの技術レベルなどの影響要因を軽視することはできないが、それらの要因が概ね類似しているのであれば、規模こそが最大の影響要因のはずである。 我が国における受注開発ソフトウェアビジネスの規模が9兆円とも言われるほどに拡大している現在、プロジェクトの納期・品質・コストにかかわる問題もまた拡大しており、社団法人情報サービス産業(JISA)の近年の調査でも厳しい実態が繰り返し明らかにされている。納期遅延や品質不良の問題の背景には、不正確あるいは不適切な見積りがあることはよく知られている。我々は、残念ながら、過去のプロジェクトの成功も失敗も含めた経験を十分見積りにフィードバックできていない。率直に言って、ソフトウェアプロジェクトの成功と失敗は見積りの正しさと著しい相関があり、良い見積りなくしては良いプロジェクト計画は策定できず、プロジェクトの成功は覚束ない。また正しいベースラインの見積りなくしては、プロジェクトの進捗を適切に追跡することはできず、問題発生の兆候に気づくのが遅れるだけでなく、仮に問題発生に気づいてもタイムリーに是正行動をとることができない。 さらに、現実問題として、見積りはプロジェクトについてまだ十分内容の詳細がわかっていない時点で求められる宿命にある。ソフトウェア発注組織は、社内開発であろうと外部委託の開発であろうと、予算の獲得・スケジュールの決定および発注先の決定などのためにプロジェクトの早期に見積りを必要とする。受託開発組織においても同様に、一般に受注に先立ち、コスト・スケジュールの見積りが求められる。他方、そのような見積りに際しては、当然ながら、何が未知・未定かを含めさまざまな前提条件が設定されることとなる。したがって、プロジェクトの進行とともにそれらの前提条件の妥当性が次第に明らかになり、状況が予想とは異なってくるリスクが常に存在する。さらに加えて、「要求のクリープ」は多くのソフトウェアプロジェクトでは、おそらく今後とも避けて通ることができない現実である。 [原著:Software Sizing、 Estimation、 and Risk Management] 発行元:(株)構造計画研究所/発売元:共立出版

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