忠治狩り

長編時代小説

光文社文庫

佐伯泰英

2008年7月31日

光文社

628円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

侠客国定忠治は、股肱の子分・日光の円蔵が捕縛、斬首されたのを機に、義理と任侠の地を離れ奥州路へ。上州無宿の参次から知らされた夏目影二郎は、愛犬あかを連れて忠治の後を追う。将軍家慶の日光社参を控え、忠治の幻影に脅える幕府。雪降る金精峠越えで赤装束女忍び集団が影二郎たちを襲う。やがて、影二郎は追いつめられた忠治の最期を飾ろうとするが…。

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2.3 2018年01月29日

夏目影二郎始末旅シリーズ第十三弾。 国定忠治の子分は一人一人と捕まり、忠治はとうとう一人で逃げ回る羽目になってしまった。しだいに追いつめられる忠治から、夏目影二郎に助けを求める遣いがやってきた。見慣れぬ男で六郷の参次と名乗った。 参次は、豆州での貸しを取り立てたいという。忠治の遣いである証拠に忠治愛用の銀煙管を見せた。 忠治が一人旅で奥州会津路へ逃げたという噂である。そこで影二郎は国定村の忠治の叔父・長岡の久左衛門に真相を問い合わせることにした。 久左衛門からの返事が来て、影二郎は日光へ向かうことにした。 幕府では来春に日光社参を行うことになっている。これを忠治らに邪魔されたくないので、八州廻りらが一生懸命に忠治を追っている。 この忠治をただの渡世人ではないと考える一人に関東代官の羽倉外記がいた。 影二郎は忠治の死に際しては首を落す約定をした仲である。 影二郎らは雪の深くなった金精峠を進んだ。途中で久左衛門が手配してくれた山案内人の松蔵を加えて一行は雪山を進んでいった。 松吉は八州廻りと違う役人衆がいることを告げた。南町奉行鳥居忠耀の配下だという。影二郎らを襲ってきたものがいる。連発が利く元込め式の南蛮鉄砲を持っている。赤装束をまとった連中は、なんと女忍びだった。 日光に着いた影二郎は旅籠の「いろは」にみよを訪ねた。そして六年ぶりにみよと再会を果たした。 この「いろは」に関東代官の羽倉外記が姿を現し、一刻半に及ぶ内談をした。 会津街道を影二郎と参次は馬で疾駆した。そして大内宿の本陣に宿泊した。その夜、参次はひっそりと本陣を抜け出した。 翌朝、影二郎は蝮の幸助と再会した。顔には疲労の色が浮き出ていた。そこに若い八州廻りの園田泰之進が現われた。 園田は忠治の回状が信濃、越後、武蔵、下野国境に送られているといった。これは影二郎が羽倉外記と謀ってのことだった。 蝮の幸助は、今の忠治にはやり残したことが一つだけあるという。 影二郎は蝮の幸助に導かれて、羽州街道を北上した。蝮の幸助はさらに横手まで行かなければならないといった。その道中で再び赤装束が姿を現した。 途中で栗毛の大きな馬・アオを借りて一行は一気に前へ進んだ。そして菱沼喜十郎、おこまの親子と合流した。 関八州を逃げ回るのが難しくなっているのは確かだが、土地勘のある会津ならともかく、なぜ忠治はさらに北を目指したのか。 蝮の幸助は種明かしをした。忠治の女・おれいが忠治の子・千太郎を産んだのだ。それを蝮の幸助が出羽の横手に送り込んだのだ。忠治は一目子供に会いたいと雪の羽州街道を一人北へ旅していたのだ。 忠治が心配しているのは、妾のお徳のことだった。このことを知ったら何をしでかすかわからないからだ。 蝮の幸助が姿を消した。だが、じきに連絡があるだろう。影二郎らは予定通りに横手にはいることにした。 八州廻りの関畝四郎が影二郎に迫ってきた。なんと、六郷の参次は関の下にいるという。関も参次を信用していないようだ。そして、関は参次がある人物の刺客ではないかと推測していた。

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