
髪結
吉原裏同心 20 長編時代小説
光文社文庫
佐伯泰英
2014年4月30日
光文社
660円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
吉原裏同心の神守幹次郎に女髪結のおりゅうが相談をもちかけた。妹のおきちが不審な者に狙われているのだという。おきちの警固に動いた幹次郎だったが、それがとんでもない騒動の幕開けだった。そして、次に狙われたのは、「吉原の主」ともいえる人物・四郎兵衛。再び蠢きだした「闇の力」の前に、幹次郎の豪剣が立ちはだかる!大人気シリーズ、待望の第二十弾。
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(無題)
いつの時代にも悪徳商人はいるもので、大体が奸計に長けていますので、読者の反感を買って勧善懲悪の物語は成立しやすいですね。しかし、ここに登場する須崎屋八郎衛門は、悪徳商人の範疇を軽く越えていますね。犯罪者ですよ。何しろ須崎屋の持ち船の荷を横領した上船を沈め、窮地に陥った須崎屋を乗っ取ったのですから。そして今は抜け荷を扱ったり怪しげな船宿を営んでいます。功成り名を遂げ富裕な身分となったものの、老齢に至り男性として機能しなくなった男に年輪もいかぬ生娘を斡旋していたのです。そんな娘を偶然見てしまった髪結い見習いのおきちが須崎屋に狙われてしまったのです。 もう一つ、本書後半の筋書きは吉原会所・七代目四郎兵衛の誘拐です。これには吉原乗っ取りの黒い思惑が蠢いています。この時代、江戸っ子は「日に千両、鼻の上下にヘソの下」と言いはやしました。鼻の上の目は芝居を見ること、鼻の下の口は魚河岸、そして臍の下と言えば言わずもがなですね、江戸には一日に千両ものお金が動く場所が三カ所ありました。魚河岸、芝居町、吉原です。つまり、吉原を牛耳ることは、経済的実権を手中にすることだったのです。吉原は元々、庄司甚右衛門が官許の遊廓として願い出て許された経緯があり、庄司甚右衛門が初代惣名主と成りました。ですから、吉原は惣名主を中心にした自治意識の強い遊廓なのです。一方、惣名主は楼主であり、そちらの経営が主体で、曲輪内の治安は次第に専門組織に委ねるようになっていきました。これが吉原会所です。一切の暴力を持ち込むことが禁止されている吉原で、警察力と統治すなわち惣名主と会所頭取の地位を奪おうと、闇の勢力が動き始めたのです。
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