遺文

吉原裏同心21 長編時代小説

光文社文庫

佐伯泰英

2014年6月12日

光文社

660円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

吉原会所の頭取・四郎兵衛の傷がようやく癒えた折り、またも吉原が「脅威」にさらされた。吉原裏同心の神守幹次郎は、いまだ復調ならぬ四郎兵衛に伴って、吉原の秘された過去の「遺文」があるとされる鎌倉へ。そこで彼らを待ち受けていたのは過去最強の刺客たちと衝撃の「秘密」だった。シリーズ史上最高傑作!吉原、鎌倉を舞台に壮大なドラマが繰り広げられる第二十一弾。

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2.7 2018年01月26日

巨万の富を生む吉原の乗っ取りを企てる御広敷番之頭・古坂玄堪との闘いは、未決の巻で始まり髪結と続いて本巻でクライマックスを迎える。会所頭取四郎兵衛が前巻で負った大怪我も癒え、満を持しての対決である。舞台は古都鎌倉である。江戸吉原から場所を移すだけで物語に新鮮さを生み出すので歓迎されるが、ではなぜ鎌倉かと言えば、公許の色里・吉原の成り立ちまでさかのぽらねばならない。 遊女屋の主人・庄司甚右衛門が遊廓の設置を幕府に陳情した事は史料に残る史実である。これは、遊廓を公許にすれば幕府は冥加金を受け取れ、市中の遊女屋をまとめて管理する治安上の利点、風紀の取り締まりなどを求める幕府と、市場の独占を求める一部の遊女屋の利害が一致した結果であった。 このとき幕府が甚右衛門らに提供した土地は、現在の日本橋人形町の葦屋町と呼ばれる地であった。その後 江戸市中は拡大しつづけ、大名の江戸屋敷も吉原に隣接するようになったので、幕府は吉原の移転を命じた。こうして吉原は現在の地、浅草寺裏の日本堤へ移転した。この際に北町奉行・石谷貞清は以下の便宜を図っている。 1、吉原の営業できる土地を5割増 2、夜の営業を許可 3、私娼を抱える風呂屋を200軒取り潰し 4、周辺の火事・祭への対応を免除 5、15,000両の賦与 これら5条件を文書化して幕府、吉原双方が保管する事にした。ところが、この文書には吉原の浮沈を左右しかねないとんでもない付帯事項が記されていた、これが本書での設定である。しかも、この文書は明暦の大火で焼失したものと思われていたが、実は鎌倉の建長寺に密かに保存され続けていたというのだ。 かくして四郎兵衛と幹次郎が鎌倉に飛ぶところとなり、この地を決戦の地として幹次郎の剣が縦横無尽の活躍をみせるのだった。

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