神さまたちの遊ぶ庭
宮下奈都
2015年1月15日
光文社
1,650円(税込)
小説・エッセイ
北海道を愛する夫の希望で、福井からトムラウシに移り住んだ宮下家五人。TSUTAYAまで60キロ、最寄りのスーパーまで37キロ。「誰が晩のおかずの買い物をするのかしら」。小中学生あわせて15名の学校には、元気満々曲者ぞろいの先生たち。ジャージで通学、テストも宿題もないけれど、毎日が冒険、行事は盛り沢山。大人も子供も本気の本気、思いきり楽しむ山での暮らし。大自然に抱かれた宮下家一年間の記録。
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(無題)
表題は、アイヌ語「カムイミンタラ」が意味するところである。アイヌの人々が「神様たちが遊ぶ庭」と形容した場所は、一体どのような所なのだろうか。常に温暖で花が咲き乱れる地上の楽園を想像する人もいるであろう。北の大地だから寒さは厳しいが、キタキツネや野生のリス、食用になる野生植物に恵まれた環境を思い浮かべるも知れない。本書の表紙には、そのようなイラストが描かれている。そんな皆さんの思いを裏切るようなことをこれから述べることを許してもらいたい。カムイミンタラを直訳すれば「神の庭」であり、アイヌが神と崇めるのは熊である。つまり、カムイミンタラとは、熊の出没する場所を意味するのである。なんとも直裁的な表現だったのだ。それを「神さまたちの遊ぶ庭」と美しい表現に意訳したのは、どうやら大手航空会社の機内誌が大雪山を紹介した記事だったようだ。 本書はカムイミンタラを有する大雪山系第2の山、トムラウシ山麓の集落に山村留学した宮下家5人の生活記録である。集落での生活は、驚きの連続である。僻地なるがゆえか、コミュニティの中心になるのが学校である。学校行事がそのまま、集落の重要行事となるのだ。また、宮下家は一人ひとりが実に個性的である。中でも父親の呑気さというか、楽観的な性格は図抜けている。「これでも生きていけるんだ」と思えば、気が楽になる。
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