
キーワードで読み解く 北朝鮮 体制の起源とその行く末
藤井非三四
2019年10月15日
国書刊行会
4,180円(税込)
人文・思想・社会
北朝鮮を巡る情勢判断は、常にはずれて来た。とにかく社会主義を標榜する国で権力世襲が三代続くことを予測した識者は皆無ではなかろうか。情報不足だけが問題ではなく、彼らの頭の中に入り込んでやろうという発想がなかったところに問題があった。 また、最近では個々の出来事が核兵器、長射程弾道ミサイルとあまりにも重大なので、その現象ばかりを追った結果、全体像を見失った感が強い。そしてまた、ここ一世紀にわたる北東アジア争乱の歴史の中に北朝鮮というピースをはめ込んでみる必要もあろう。 北朝鮮という国を理解しにくくしている原因は、彼ら独特の行動様式にある。これは抗日パルチザンの時代から綿々と受け継いできたものだ。すなわちそれは、まず「補給闘争」「過剰忠誠」「大量粛清」であり、そこに朝鮮半島独特な「外勢排除」という思潮が加わる。そして全体を統制しているのが「十大原則」だ。 本書では、常にこのキーワードを意識しつつ、金日成神話に始まる北朝鮮の軌跡を紹介し、近き将来を見通す情報資料(インフォメーション)を提供するものである。 序章にかえて 北朝鮮の将来を占う五つのキーワード 「補給闘争」/「過剰忠誠」/「大量粛清」/「外勢排除」/「十大原則」 第一章 再検証されるべき「金日成神話」 語り継がれたビッグ・ネーム 日本陸士出身者が信じた「金日成」 コミンテルンから派遣された二人 永遠の主席になった人とは 第二章 朝鮮戦争中にあった金日成の危機 誤判の累積がもたらした朝鮮戦争 緒戦における両軍の誤算と失策 今日の混迷を決定付けた中国の介入 米中対決の狭間を生き抜いた北朝鮮 第三章 金王朝三代を存続させた要因 執拗きわまる粛清の効果 国際中間地帯を武器とした巧妙な策動 韓米間にある不協和音 第四章 継続する脅威と期待できない体制変革 外交と補給闘争の混同 大量破壊兵器の開発と実戦化 体制変革の可能性はありうるのか 終章にかえて 核武装した北朝鮮の行方 略年表
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