椿と花水木(下)
万次郎の生涯
幻冬舎文庫
津本陽
2009年2月28日
幻冬舎
838円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
英語、数学、測量、航海術、造船技術…アメリカでさまざまな知識を身につけた万次郎は、愛妻の死を契機に望郷の念を募らせる。やがて鎖国状態の日本へ命がけの渡航を試みるが、晴れて十数年ぶりに降り立った故国は黒船来航を端緒とした未曾有の国難に面していた。卓越した才学で開国に向かう日本を陰で支えた男の数奇な後半生。圧巻の人物評伝。
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(無題)
下巻は上巻と比較して、史料からの抜粋などが多く、小説というよりも伝記に近い。上巻が劇的すぎたこともあり、なんとなく焦点が若干ぼやけてしまったような感じ。あと明治以降がやたらあっさり……。晩年はむしろ不遇だったようで、特記すべき出来事がなかった、ということなのかもしれないけど失速気味と言わざるを得ない。著者の所見を表しての終わり方も、小説としてはいささかお粗末かと。
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