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極楽プリズン
幻冬舎文庫
木下半太
2017年10月6日
幻冬舎
638円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
バツイチの理々子は、路地裏のバーで柴田と名乗る男に声をかけられた。男は「恋人を殺した無実の罪で投獄されたが、今、脱獄中だ」と打ち明ける。そして、飲酒OK、ジムやシアタールームまであり、「出入り自由」な刑務所の話を始める。「死んだ彼女を救うため、脱獄を繰り返す奇妙な男」の真相に近づいたとき、理々子が目にした恐ろしいものとはーー?
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【いつでも脱獄しちゃってください】
あるバーで知り合った男女。なにげない話をしていた二人だったが、男が奇妙な話をしだした。「実は俺脱獄してるんです」と。彼の話は以下の通りだった。 長年同棲し付き合っていた彼女がナイフで刺されて死んでいた。あわててナイフを引き抜いたせいで、ナイフに自分の指紋が残り、彼女を殺してもないのに、有罪で捕まった俺。無期懲役を刑を受けた俺が運ばれたのは、石垣島から少し離れた孤島の刑務所だった。 ただぶち込まれた刑務所がありえない場所だった。囚人たちは「この世の極楽だ」という。何でも手に入るし、外出も自由。外出っていうのは脱獄、それも自由。飲酒ももちろんOKだ。ジムのトレーナーと栄養士のお蔭で健康管理もばっちり。スポーツジムにはプールやヨガまであり、シアタールームまである。汗をかいたらスパで一休み。アロママッサージやタイ式マッサージでまったりできちゃう。普通の刑務所に入っても出てきたら再犯する、そういうのを改善できないのか、なぜ犯罪を起こす人間は悔い改めないのか?それでできたのが「極楽プリズン」だ。犯罪者の極度の緊張やストレスを極力減らすことで、余裕を持った心を再生し、二度と再犯しないように、実験的に作られた刑務所だ。 俺は、彼女を殺した真犯人を捕まえる為、外出(脱獄)をすることを決意する。「ここは極楽プリズン、いつでも、好きな場所に行ける」だから、彼女が殺される前の時間と場所に行くことにした。殺される前の彼女の運命を変えたなら死ぬことはないのかもしれないと。 「運命は変えられない」でも諦めきれない。はたして、彼女の運命を変えることができるのだろうか?「死んだ彼女を救うため、脱獄を繰り返す奇妙な男」、バーで知り合っただけの男の話の真相に近づいたとき、女が目にした恐ろしいものとは?
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