あなたの中の異常心理

幻冬舎新書

岡田 尊司

2012年1月26日

幻冬舎

1,056円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

誰もが心にとらわれや不可解な衝動を抱えている。そして正常と異常の差は紙一重でしかないー。精神科医で横溝賞作家でもある著者が、正常と異常の境目に焦点をあて、現代人の心の闇を解き明かす。完璧主義、依存、頑固、コンプレックスが強いといった身近な性向にも、異常心理に陥る落とし穴が。精神的破綻やトラブルから身を守り、ストレス社会をうまく乗り切るにはどうすればいいのか。現代人必読の異常心理入門。

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HONAMI

(無題)

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3.5 2022年07月30日

面白かったんだけれど、強烈なインパクトはなかった😌 なんかどっかで聞いたことある(読んだことある)話の寄せ集めな感じだった😳

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstar 3.0 2017年06月26日

​ 「いつも正しい人」が重罪を犯す? “完璧主義”は異常心理の入り口 「いつも正しい人」が重罪を犯す? “完璧主義”は異常心理の入り口 ​​ 『あなたの中の異常心理』(岡田尊司/幻冬舎)  「人間は、二面性を抱えた生き物である。誰でも影の部分をもっている」――そんなドキッとさせられる言葉ではじまるのが、現代人必読の異常心理入門として刊行された新書『あなたの中の異常心理』(幻冬舎)である。著者は、精神科医で横溝賞作家でもある岡田尊司氏だ。  近年、未成年者の重犯罪や、異常に残忍な事件が増えているが、本著によれば、そうした犯罪に手を染めた人の多くは精神を病んでいたわけではなく、普段は正常な人が一時的な異常心理に陥ったに過ぎないのだという。とすると、正常な心理状態を保っている人との境目はどこにあるのだろうか? 同著で解説される様々な異常心理の中からいくつかを取り上げ、紹介してみたい。 正しさだけを求め続けると、破綻する  人は誰でも、「正しいことをしたい」という気持ちがある一方で、それとは裏腹の「悪いことをしたい」という衝動を抱えているのだという。にもかかわらず、その二面性を無視して正しいことや善いことだけを追求し続けたり、自分の中の影の部分を自覚していないと、「社会的地位もある人が少女のスカートの中を覗いて捕まる」、「有名人が万引きや覚醒剤で逮捕される」、「普通の母親がわが子を虐待死させる」といった事件を起こしてしまうことがあるという。  著者の経験から、そうした人の中には、幼い頃に愛情よりも暴力や無慈悲にさらされ続けたために異常な心理や行動を身に付けてしまった人がいた一方で、正しさや善いことを求められ過ぎたために正反対の偏りを生じてしまった人もいたそうだ。つまり犯罪は特別な人が起こすのではなく、多くの人が似たような危うさを抱えているというのである。  そして自分の中に潜んでいるかもしれない影の部分を、悪いこと・異常なこととしてではなく、人間の本質に根ざした一面として受け入れ、自覚しておくことで、大きな破綻から身を守る安全装置となるだろう、と説いている。 “完璧主義”は異常心理の入り口  本著によれば、完璧主義とは「あらかじめ期待していたことを、その通りに行わないと、すべてが台無しになったような失望や苦痛を感じる心理的なとらわれ」だという。うまく機能すれば優れた向上心や高いパフォーマンスの原動力となり、学業、職業、家事や子育てといった面で素晴らしい成果を収めることにつながるものの、その達成が困難な状況に置かれると異常心理にも通じてしまう、言わば“諸刃の剣”なのだそう。  特に、仕事や対人関係、恋愛や子育てなど、本人の努力だけではどうにもならない要素を含む問題になると壁にぶつかりやすく、完璧でありたいと思うあまり周囲をコントロールしようとする傾向があるそうだ。そしてそれがかなわないと強いフラストレーションを抱えてしまい、うつ病、摂食障害、境界性パーソナリティ障害ほか様々な精神障害のきっかけになったり、虐待や仕事中毒、対人関係の破綻、自殺といった多くの問題行動の背景にも見出されたりすることが多いのだとか。  自分のやり方しか認められず、一切の妥協や曖昧さを受け入れることができない。また、相手の間違いや欠点を許容できず、一度の過ちでも許せないと感じて一方的に関係を絶ってしまう…そんな一面が身近な人に見られたら、問題が起きる前にカウンセラーなどに相談してみたほうが良いかもしれない。 異常行動をやめられないのは、麻薬のような快感のせい  誰でも1度や2度は、子どもの頃にイタズラをして大人に怒られた経験があるはず。その時、悪いことだと知りつつもついやってしまったのはなぜかというと、そこに強い快感が伴っていたからだ…と、本著では説明されている。そしてイタズラをした時に感じた快感は、快楽殺人という異常性の高い犯罪や、執拗に続くイジメ、相手を支配・服従させるDVや虐待の加害者が感じるものと同じだというのである。それはまるで麻薬のように“クセになる快感”であり、そうした報酬があるために行動がエスカレートしやすく、ひとたび始めると容易には辞められないという一面をもつというのだ。  また、虐待やイジメは、程度の差こそあれ誰の身近にもある“悪”であり、もし幼い時期にその標的になってしまうと、その子は他人を信じたり愛したりといったことができなくなったり、それによって周りにいる人(子ども)にも悪の種を植えこみ、拡大再生されてしまう(悪の温床になってしまう)のだという。そしてやがて、被害者自らが加害者になってしまうことも少なくないのだとか。これらの場合においても、被害者と加害者の境界は曖昧であると言えるだろう。  誰もが心に“とらわれ”や不可解な衝動を抱え、正常と異常の狭間でもがいているのかもしれない。異常心理に足をすくわれないため、またストレスの多い現代社会を上手に乗り越えていくためには、本書のような心理学本を読み込んで自らの心のうちを把握しておくことが必須のようだ。 文=増田美栄子 1

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