家族という病

幻冬舎新書

下重暁子

2015年3月31日

幻冬舎

858円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

日本人の多くが「一家団欒」という言葉にあこがれ、そうあらねばならないという呪縛にとらわれている。しかし、そもそも「家族」とは、それほどすばらしいものなのか。実際には、家族がらみの事件やトラブルを挙げればキリがない。それなのになぜ、日本で「家族」は美化されるのか。一方で、「家族」という幻想に取り憑かれ、口を開けば家族の話しかしない人もいる。そんな人達を著者は「家族のことしか話題がない人はつまらない」「家族写真入りの年賀状は幸せの押し売り」と一刀両断。家族の実態をえぐりつつ、「家族とは何か」を提起する一冊。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2018年01月21日

「あなたにとって一番大切なものは何か」とのアンケート調査に「家族」と答えた人が第1位を占めています。さらに「あなたにとって家庭はどのような意味をもっていますか」と尋ねたところ、「家族団らんの場」と回答した人の割合が最も高く、次いで「休息・やすらぎの場」、「家族の絆を強める場」がこれに続いています。人々は家族を大切に思っています。そこで安らぎを得る事ができるからです。 本書の題名は、そんな小市民的幸福に水を差すような攻撃性に満ちています。また、東日本大震災や福島原発事故で人々が自然の前で感じた無力感、だからこそ身近で信じるに足る絆、家族を大事にしようとの思いを逆撫でします。そんな題名の本書が多くの人に読まれているのは、「日本人の多くが『一家団欒』にあこがれ、その呪縛にとらわれているが、家族とは、それほどすばらしいものか」との問題提起にあります。つまり、暖かい家族や一家団欒、安らぎを与える家庭とは実は欺瞞に満ちた言葉に過ぎないと内心では感じているからではないでしょうか。 不良老年の項でも書きましたが、著者の書は、ショッキングな題名の割には常識的な内容に満ちています。家族について書かれた本書にも、トゲトゲしさや毒は含まれません。例えば、家族のことしか話題のない人はつまらないというあたりは同感です。何故ならそれは自慢話か愚痴か不満であり、発展性がないからです。堂々巡りをして傷のなめ合いが始まるか、一方的に聞かされるかがオチです。また、結婚ほどストレスになるものはないとも指摘します。家族のいない孤独死であっても「心ない家族にみとられるよりは満ち足りているかもしれない」と書くのです。 本書に書かれた個々の事項については、殆どが同感できるものばかりです。ところが、通読した後には違和感というか、淋しさが残るのです。本書はエッセイ的に家族を語る事で下重暁子を語っているのしょうね。父や母に反発する事を原点としてスタートした人生、肩肘を張って生きてきた結果、子供を作らなかった結婚生活、人それぞれではありますが、もう少し肩の力を抜いても良かったのではないでしょうかね。

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