将棋大名
春陽文庫
角田喜久雄
1992年1月31日
春陽堂書店
641円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
安永8年1月半ば、江戸は湯島台の神田明神境内で、『蘭学博士平賀源内先生大講義』なる看板の下、見物人を煙にまいていたのは奇人先生こと平賀源内、供の門弟高島春作であった。エレキテルなる奇怪な西欧魔術を行うこの先生を知らぬ者は江戸にない。その源内と春作を、寄寓する幕府将棋所の司で将棋三家の伊藤宗印の娘お千代が迎えにきた。源内はお千代にも見物人同様に遠眼鏡をのぞかせたのだが、お千代が見た怪奇は。お千代の視線の先には、湯島町の質屋『伊勢屋』の庭に“死人詰め”なる紙を紙房の上に止めた裸女が松の下に下がっていた。詰め将棋“死人詰め”の謎とは何か…?-妖怪若衆下村松之丞、そして怪人将棋大名の出現。かくて源内と春作の活躍は。
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