デビュー

実業之日本社文庫

今野敏

2013年8月31日

実業之日本社

660円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

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3.2 2018年01月25日

19歳にしてカリホォルニア大学理論物理学と哲学の修士課程を終えた天才少女・高梨美和子がアイドルデビュー、魑魅魍魎が渦巻く芸能界で起こる事件を颯爽と解決する。こんなトッピョーシもないの大好き。現実の世界では絶対にあり得ない事を描き出して読者を楽しませてくれるのだから、小説はヤッパリ愉しい。そうは言ってもリアリティーがなければ、小説として成り立たないのも事実。その点、著者の業界に詳しいことといったらない。レコーディングのシーンなど「へー、そうなの」と感心することしきりである。 また「美和子、わかんなーい」と童顔のアイドルを演じるヒロインの頭脳と腕力となって物語を盛り上げる脇役陣も個性的。芸能界の情報通にして理性的風貌の持ち主・作曲家の井上鏡四郎とハリウッドでは伝説的スタントマン・殴られ屋サムこと長谷部修だ。 警察もので定評のある今野敏が実はアイドル好きである事が解説で紹介されている。なるほど、それでこんな作品を書いたのか。また、解説では、著者が大学卒業後レコード会社に席をおき、ディレクターをしていた事も明かされる。道理で、業界人だったんだ。もう一つ、著者の趣味はジャズ鑑賞、空手、整体、ガンプラ製作、射撃、スキューバダイビングと多岐に渡り、どれもが素人の域を超える程だという。本書にはそんな著者の好きなものがてんこ盛りである。

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