株で富を築くバフェットの法則最新版

不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法

ロバート・G.ハグストローム / 小野一郎

2014年4月30日

ダイヤモンド社

1,980円(税込)

ビジネス・経済・就職

リーマン・ショック時に投資して1兆円の利益!なぜバフェットだけ勝てるのか?120万部超の投資ベストセラー、全面改訂の最新版がついに上陸。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstarstarstar 5.0 2021年03月26日

メモの続き(字数制限のため) ◆第6章 バフェットの投資心理学 【2 行動ファイナンス】 【感情の落とし穴を切り抜ける】 近視眼的損失回避が心理的な障害となって、投資家はバフェット流の投資をうまく使おうという気になれないでいる。私は30年ほど投資の世界で働いているが、個人投資家やファンドマネージャー、コンサルタント、機関投資家の役員などが頻繁に結果を一覧表にして評価することで、損失がますますひどくなることを、多くの人は認識していない。この心理的な壁を乗り越えれば、ほとんどの人より優位に立てる。 1988年のコカコーラは10年間で10倍に上昇した。その間、S&P500は3倍になっただけである。1989年から1998年までの10年間全体で見ると、コカコーラは市場を上回っていた。しかし、1年ごとに見ていくと、市場に勝ったのはそのうち6年だけだった。 ベンジャミン・グレアムはこう言っていた。「ほとんどの場合、株価は上にも下にも、不合理で過剰に変動する。多くの人に投機やギャンブルをしたいと思う傾向が染みついているせいだろう。よいことを期待し、あるときは不安になり、また貪欲になってしまうのだ。」投資家は市場の変動に備えておけとグレアムは警告を発している。 【3 バフェットはどう乗り越えているか】 【マーゴヴィッツの共分散】 『ポートフォリオ選択論』(東洋経済新報社)ハリー・マーコビッツ 1957年 投資家はまず自分が最も扱いやすいリスクのレベルを見つけ、共分散の小さい株式を使って、効率的に分散されたポートフォリオを組成するのが賢いやり方だというものである。 【ファーマの効率的市場】 1965年ユージン・ファーマ 市場は効率的であり、株価の将来予測は無意味だというのだ。 【シャープのキャピタル・アセット・プライシング・モデル】 ボラティリティをベータ・ファクターと名づけた。 1968年 CAPMという概念を提唱した。 株式はまったく別の2つのリスクを持っている。1つは、市場に参加していること自体のリスクであり、シャープはシステミック・リスクと呼んだ。システミック・リスクはベータで表され、分散によってなくすことはできない。もう1つのリスクは、アンシステミック・リスクと呼ばれ、企業の財務状況に固有のリスクだ。アンシステミック・リスクはポートフォリオの中に異なるタイプの株式を加えて分散することで、なくすことができる。 10年間で3人の研究者が、のちにモダン・ポートフォリオ理論と呼ばれることになる理論の重要な要素を定義した。マーコビッツは、リスクとリターンのバランスは分散によって決まるという考え方を示し、ファーマは効率的市場仮説を提唱し、シャープはリスクとは何かを定義した。 こうして歴史上初めて、ファイナンスの運命がウォールストリートでもワシントンのアメリカ政府でもなく、また事業のオーナーでもない者の手にあることが示された。これから先、ファイナンスの世界は大学教授たちが定義し、実務家がそのドアを叩くことになるのだろう。学者たちがモダン・ファイナンスの高僧になったのだ。 【リスクと分散に関するバフェットの見解】 モダン・ポートフォリオ理論では、リスクは株価の変動率(ボラティリティ)だと定義される。しかし、株価が下がることをバフェットは常にチャンスと捉えていた。実際に、株価が下がることはリスクを小さくするのだ。バフェットは言う。「事業のオーナーにとって、学者によるリスクの定義はほとんどバカげている言えるくらいにまったくズレている。そして私は、一部を所有する株主でも、事業オーナーと同じ気持ちで考えるべきだと思う」バフェットの定義するリスクは、ケガをする可能性だ。それは事業の本質的価値のリスクであって、株価の動きではない。本当のリスクは、投資から得られる税引き後のリターンが「投資を始めた時点と少なくとも同じであり、さらに適正な利益が得られる」 バフェットの言うリスクは、投資家の展望する時間の長さと密接に関係している。これは、バフェットとモダン・ポートフォリオ理論のリスクの考え方の最も大きな違いと言っていいだろう。 「分散は。何も知らない場合には防御と言えるだろう。市場と異なることが何も起こらない状態を確保しようとするのなら、すべてを買うのがいい。間違ってはいない。事業を評価することを知らない人にとっては、まったく健全なやり方だ」とバフェットは説明する。 効率的市場仮説についてバフェットが最も納得できないのは、投資家が利用可能な情報を分析して他者より優位に立つことについて何も言っていないことだ。 私がバフェットについて書き始めてから20年が過ぎた。その間に出会った人々の中で、バフェット流に反対する人は1人もいなかった。しかし同時に、心の底からバフェットの考え方をもっともだと思いながら、気持ちの上でその教えを自分で使おうとしなかった人々も多数存在した。こうして、私はバフェットの成功の秘訣を理解した。バフェットは理性の人であって、感情に流されることがないのである。 【4 心理学が重要である理由】 人間の行動を理解することは2つの意味でたいへん貴重である。まず、ごく一般的に陥ってしまう過ちを犯さなくて済む。そして、ほかの人々が犯す過ちを察知して、自分の利益につなげることができるのだ。私たちは誰でも間違った判断をすることがある。それによって成功するかどうかが影響される。市場に関わっている無数の人々が判断を誤ると、それらを集合したパワーは市場を破滅させるほど大きい。そして、他人について行きたいという誘惑は非常に強いので、その力はさらに増大する。合理性を欠く行動の嵐の中で、合理的に行動した少数の者だけが生き残るのだ。 【投資に必要な忍耐力】 トルストイは、その最高傑作『戦争と平和』の中で、「最強の戦士は時間と忍耐だ」と書いた。もちろん軍事についての記述だが、そのまま経済活動にも当てはまるものであり、資本市場について理解を深めたい人には大いに参考になる。 【ゆっくり伝わる情報】 1976年ジャック・トレイナーの結論はこうだ。「市場が効率的でない場合も。速く伝わる最初の情報については非効率的ではない。定義の上からも、この種の情報は大多数の人々が評価を間違うことがないからである」「市場が効率的でない場合。投資家にはチャンスがあるわけで、2つ目のゆっくり広がる情報が問題になってくる。そして、この2つ目の情報こそが、長期投資の有意な基礎となる」 マイケル・J・モーブッシン『偶然も必然の方程式』(日経BP社) バフェットは言う。「投資を学ぶ学生が取るべき科目は、事業をどう評価するかと市場の価格をどう考えるかの2だけである」 知識のない投資家はインデックスファンドをドルコスト平均法で買えばよいのだ。インデックス投資を行うことに引け目を感じる必要はまったくない。実際、インデックス投資をすれば、大部分のプロの投資家に勝てるのだから。 「一方、ある程度の理解がある投資家の場合、つまりビジネスの経済性を理解して、長期的に優位性を保て、株価が適正な企業を数社選び出せるのであれば、従来のような分散はまったく意味がない」 バフェットの言う事業オーナーの最終目的は、10年後に最高のルックスルー利益を生み出している企業でポートフォリオをつくることだ。 ◆解説 ピーター・リンチ 1994.10初版時に寄せられたもの。 バフェットは、投資について最も重要な要素は、企業の本質的価値を確定したうえで、適正な価格、あるいはそれよりも割安な値段で買うことだと強調する。現在または将来の株式市場全体の動きなどはどうでもよいという。 的中率はそれほど高くなくてもよい。「40年の経験の中で、重大な成果をもたらしたと言える決断をしたのはわずか12回を数えるだけだ」と彼は言っている。 持ち株を数社の株式に絞れば、リスクを大いに軽減できる。ただし、絞ることによって、調査がより慎重に、そして完全を期して行われること、という前提がつく。バークシャーの普通株の保有額は通常、その75%を超える部分がわずか5銘柄で占められている。 本書で数回にわたって明確に示されている方針の1つに、一時的に業績不振に見舞われているか、あるいは株式市場全般の不振によって株価が割安になっている企業、それも優良企業に投資すること、というのがある。

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タナ

株式投資とは事業主になること

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4.2 2020年05月01日

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