50歳からは炭水化物をやめなさい

病まない・ボケない・老いない腸健康法

藤田紘一郎

2012年9月30日

大和書房

1,430円(税込)

美容・暮らし・健康・料理

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2018年01月19日

名誉教授になってから学者として本当の仕事ができる、と言ったのは誰だったか。教育や大学経営の雑事から解放されて、純粋に自らの学問的興味に基づく研究が自由にできる事を言ったのであろう。サラリーマンでも、仕事を生き甲斐にしてきた人は、定年退職とともに燃え尽き症候群に陥って精彩を失う事が多い。そんな人が第二の人生に生き甲斐を見いだして、溌剌とした日常を送るには数年の年月を必要としよう。それに比べて、本書の著者・藤田が旺盛な知的好奇心のままに研究テーマを次々と広げるさまは、驚異の念を禁じえない。 カイチュウ博士の異名を持つ著者の事である。微生物や大腸は専門であるから、これに言及するのは当然のことと思われる。しかし、本書では長寿のメカニズムを科学的に解明して見せているのである。先ずは書名にもなっている炭水化物の摂取についてである。人間の身体は50歳前後を境にして、エネルギー代謝の仕組みが変わるのだそうだ。50歳までは糖質による代謝が優位にあるので、炭水化物が一定量必要となる。ところが50歳からは酸素によるミトコンドリアの代謝系が優位になる。それにも関わらず、若い時と同様に炭水化物をとり続けると、かえってそれが害になるというのである。 「脳にとっての唯一のエネルギー源、それはブドウ糖である。だから、脳のために炭水化物の摂取は必要だ」。この本を読む今の今まで、こう思っていた。ところが、この常識はもはや過去のものだったのだ。脳細胞にもミトコンドリアが存在する。だからミトコンドリア系の代謝があるというのである。これを知らずに解糖系の代謝に頼って炭水化物を取り続けると、活性酸素が発生して、がん、糖尿病、脳血管系障害、心筋梗塞の4大疾病を招き、その結果寿命を縮めているというのだ。 100寿を全うしてピンピンコロリの人生を決定付けるのは、ミトコンドリア・テロメア・長寿遺伝子・腸内細菌の4要素である。 本書では第1章から第4章でこれらひとつ一つを順番に解説していく。 それにしても、百歳迄元気に生きるのは大変な事だ。怠け者の私にはとてもこんな努力はできない。長寿とクオリティ・オブ・ライフを秤にかければ、日々快適に過ごす方に間違いなく軍配を上げる。何より、ご飯・ラーメン・パスタ好きで、毎日の晩酌を欠かさない生活を一変させなければ長生きできないなんて、考えただけで心が折れてしまう。

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