グロテスクの系譜

ちくま学芸文庫

アンドレ・シャステル / 永沢峻

2004年4月7日

筑摩書房

1,430円(税込)

ホビー・スポーツ・美術 / 文庫

“グロテスクなもの”は、ルネサンス美術が「純粋で清澄なる古代」を復興する陰で産み落とされた。滑稽図やアラベスク模様など空間を装飾する絵画では、「現実的空間の否定」と「雑種(ハイブリッド)な生き物の増殖」が中心原理となり、遠近法と物語(イストリア)で構築された世界秩序からの解放が可能となる。「疎外された奇形児」か「豊穣な民衆世界」かという両極からしか批評されてこなかった、この怪物的で遊戯的なものの系譜を、美術史の碩学が的確精緻に解剖する。収録図版多数。本邦初訳となる関係二論文を収録。

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