聖王ルイ

西欧十字軍とモンゴル帝国

ちくま学芸文庫

ジャン・ド・ジョアンヴィル / 伊藤敏樹

2006年11月8日

筑摩書房

1,650円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

「聖王」と慕われ、パリのサン・ルイ島や、ミズーリ州都セント・ルイスなどにその名をとどめる13世紀フランス王ルイ9世の事跡を伝えるフランス中世史の第一級史料。王の忠実な家臣であり、王による第七回十字軍遠征に随伴したジャン・ド・ジョワンヴィルが、王の死後40年近くを経て記憶を辿り心情を傾けて詳細に記述した本書は、フランス文学史上代表的な回想録でもある。当時、ユーラシアから地中海一帯にかけては、モンゴル、イスラム、十字軍の勢力が、版図拡大・聖地奪還の意欲に燃え激突する多極的世界が展開していた。領土保全と、信仰への熱い思いに駆られ、押し寄せる時代の荒波のなかを高潔に生き抜いた稀代の王の姿を描く伝記的ロマン。

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