八月の砲声
バ-バラ・ワ-セイム・タックマン / 山室まりや
1986年8月31日
筑摩書房
4,180円(税込)
小説・エッセイ / 人文・思想・社会
さまざまな偶然が重なって、第1次大戦が始まった、そしてその恐るべき規模と波及効果を誰一人予測できなかった。現代世界を作りだした「総力戦」の実態を描く傑作。ピューリッツァー賞受賞。
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(無題)
歴史の授業で、第一次世界大戦はサライエヴォでオーストラリアの皇太子が狙撃されたことによって起こった、とは聞いていたがその当時より、たったそれだけのことでなんで世界大戦になってしまうのかと思っていて今頃になってそれを学ぶ…。 まだ騎兵隊の突撃があったこの時代、レーダーは無く飛行機はかろうじてあっても空軍もまだないこの時代の戦闘は凄惨でかつ牧歌的でもある。 しかしハルバースタムの作品などと照らし合わせると結局のところ戦争は愚かな要因で発生してしまうということが良くわかる。 人類は学ばないというかそれが本質なのではないか。聞きたいことしか聞かない権力者や後で振り返ると下らない同盟やメンツなどなど。 教訓めいたことを一切書かず事実を淡々と述べた本作は見事。 9条信者は本作を読みベルギーの置かれた立場と見上げた対応を学ぶべき。一人でもドイツ兵が傷つくとその村皆殺し、がナチの悪行として語られるけどもゲルマン、チュートン族のやり口だということも淡々と書かれていたりする。 いやいやいろいろ学ぶことが多い素晴らしい作品でした。
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