独居老人スタイル

都築響一

2013年12月31日

筑摩書房

2,970円(税込)

人文・思想・社会

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3.3 2018年01月26日

独居老人には都会の片隅で世間に迷惑をかけずにひっそりと生きるイメージが付きまとう。その先に待っているのは孤独死である。このイメージには、そんな老人を負け組と見下す上から目線が感じられる。もう一つは、世間が抱く幸福な老人と現実に老いを生きる老人の意識の間にギャップがあるのではないか、との疑問である。 本書は一生結婚することもなく貧乏なまま年老いた人16人の人生が語られるドキュメントである。夫々の人生は壮大なドラマであるが、この16人にはひとつの共通点を見出すことが出来る。それは家族や世間から自由であることだ。自分のやりたいことをやり通す事に執着を持っているとも言えるし、自分の人生に満足しているとも言える。これが本書の最大のテーマである。つまり、いかに世間から指弾されようと、本人が幸せであれば、そこに1番の価値があるのでは無いか、との世間一般への挑戦である。 それにしても、よくもこれだけ奇人変人を集めたものだ。トップバッターはかつて毎回、都知事選に出ていた泡沫候補秋山祐徳太子。彼は近代的な都営住宅に住まう。しかし、室内はゴミ屋敷である。「片付けるってのは、消極的なことですよ」。そして「早く壁にぶち当たりたいんです」と曰う首くくり栲象は、40年以上に渡って首吊りという表現を続けるアクショニストである。 「タバコと寿司屋と焼肉屋があれば、どこでもいいの」と新宿二丁目のスナック・ママ鈴木惇子。「絵描きになるには毎日、家に居ればいいんだ」美濃瓢吾(画家)。「同年代の友達なんて、つまんないからひとりもいない」水原和美(輸入用品雑貨店経営)。 つつましやかで、金もないがストレスもない。独居老人とは、実はこんなハッピーな生き方だったのだ。

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