週末のセッション

東京創元社・ミステリ・フロンティア

伊園旬

2012年6月30日

東京創元社

1,870円(税込)

小説・エッセイ

月曜日、四人の男たちに各人各様に降りかかった災難。男たちは危機を回避すべく、それぞれに大金を得ようと、にわか仕込みの罠をめぐらす。複数の詐欺が輪舞する一週間が幕を下ろすとき、明らかになる鮮やかな結末とは?洒落たユーモアに包まれた、クライム・コメディの新たなる収穫。「このミス」大賞作家の本領が如何なく発揮された、現時点における最高傑作。

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Readeeユーザー

(無題)

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3.4 2018年01月28日

オシャレで小粋なユーモア小説と言ったら良いのでしょうか、最後まで楽しむことができました。 登場人物は四人。この四人が複雑に絡んで物語は展開されていきます。親から譲り受けた株を絶妙のタイミングで売却したのは良いものの、インサイダー取引の疑いをかけられかねない男を船越といいます。双子の弟が自分の名を語って作った借金の返済をしたい設計会社社長は大牟田です。借り物のジャガーをぶつけ、その修理に独立資金が消えそうなのは江口。そして、妻に離婚を迫られ、マイホームかその分の金銭を要求される調査会社社長が妹尾です。 何千万単位のまとまった金を必要とする4人の男が次から次と他人からだまし取ろうとする、そんな男たちの一週間がスリリングにまたコミカルに描かれます。具体的には、船越→大牟田、大牟田→江口、江口→妹尾、妹尾→船越、というように騙そうとします。一人ひとりの登場者が犯罪の首謀者であり、標的でもある訳ですから、最後はどんな結末になるのか、楽しみです。 一週間の話を四人の視点で描いていきますが、誰かの目線に別の誰かが登場して、一週間後あっと驚くエンディングとなります。 休日の昼下がり、窓からの暖かい陽射しを浴びながら過ごすひと時には最適な一書と言えましょう。

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